「可能性はゼロではない」といった表現が混乱を招く問題、IPCC第5次報告書が非常に良い統一基準を作っていたので、これを参考にすると良いと思った。可能性が1%未満の場合は「ほぼあり得ない」で統一してる。 pic.twitter.com/y8IPfrEFXm
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2016年11月28日
環境問題に関する基準なので、他分野に適用する場合は調整が必要だと思う。例えば健康を害する確率が0.9%と評価された場合に「ほぼあり得ない」と言ってしまうのは言い過ぎ。各分野において「限りなくゼロに近く無視できるが断定はできない」場合に「ほぼあり得ない」と言えばよいのだと思う。 https://t.co/NQZL8kIX0v
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2016年11月28日
文系・理系間で言葉のニュアンスが大きく異なる話として挙げられる例の一つにある「ゼロ」問題。ゼロリスク問題と表現した方が分かるかな。さいころを100個同時に振って全部が6の目が出る可能性はほぼゼロに等しいけど、それは決してゼロではない。数理的には「ゼロとは言い切れない」と言及するしかないのだけど、社会問題上はゼロと表現してもほぼ問題は無い。そんなことを言い出したら、普段何気なく外を歩いていたら、隕石が頭に直撃して命を落とす可能性だってゼロではないし、出会い頭に石油王と衝突してラブロマンスが花開くこともありえない話じゃない。
で、そんなゼロリスク論を振り回す界隈が震災以降特に増えた中で、一つの指針としてこんなものがあるというのが、今件のお話。指摘の通り、環境問題における話であることや、例に挙げた「サイコロを振る」ならばどのタイミングで振るかという問題もあるのでこれをこのまま適用するのはちょっと困るけど、大いに参考にはなる。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書統合報告書の公表について(お知らせ) https://t.co/bVmoVA0Ukr https://t.co/gnFtjaQ0U6 11/4発表ですね https://t.co/O32jwaYAcq pic.twitter.com/djmapvIylv
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2016年11月28日
この表の取得元はこちら。当方も胃カメラを受けたり、入院時に色々とお薬を投与される時の同意書の中で、過去の事例として確率論的にゼロカンマの後に数ケタゼロが続いた上で数%の割合で(例えば0.00000000003%という感じ)、リスクが生じることがあります云々っていう表記を見たことが何度もあるので、この辺の感覚は十分認識しているのだけどね。世の中には認識があいまいな人もいるし、ゼロリスク論を棍棒のように振り回す悪い人、さらにはそれを良いものとして理解している人もいるわけだ。
以前も記事にした記憶はあるのだけど、世の中のあれこれをざっとで良いので期待値計算をして判断するくせをつけると、結構色々と役立つし、少しだけスマートに生きられるようになると思うよ。
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