島田紳助『自己プロデュース力』読了。この本が馬鹿売れしたのは、日本人は島田氏のような自己肯定感の低い人のサクセスストーリーに自分を重ね合わせて「よし、自分も雑草魂で頑張ろう」と力づけられるから。つまり、多くの日本人は自己肯定感が低いし、それを前提にして必死の努力をすることを好む。
— Uwapon┃Takao Uwano (@Uwapon) 2016年12月6日
BtoCマーケティングをする上では、自己肯定感が低い人を対象にマスマーケティングメッセージを考えた方がうまくいく。だって、日本人の殆どがそうだから。「辛くても頑張る」「本当はできる」「自分を大切にする」「未来は変わる」。こうしたメッセージの多くは自己肯定感の低い人向けメッセージ。
— Uwapon┃Takao Uwano (@Uwapon) 2016年12月6日
他国と比べてアジア諸国、特に日本人は自己肯定意識が低く、またそれだからこそ個人の主張を嫌い、団体行動を好むとの傾向分析は、これまで複数の調査結果から明らかにされているし、納得する人も多いと思う。なぜそうなるのかまでは当方はまだ調べ切ってはいないけど、遺伝子レベルの云々では無く、歴史観的なものが多分にあるのではないかな、という気がする。そのような行動性向をすることこそが、生き残りのための一番の選択肢であると学んできた結果、的な。
で、その様式を前提とした上で、どのようなメッセージが好まれるかという話。読書感想文的なものの指摘だけど、ああ、なるほど感は極めて強い。確かにその類のメッセージは、色々と形を変えて蔓延している。ただ最近は「辛い」とか「努力」ってのが嫌われる傾向があるってのは以前指摘した記憶もあるけど(それらを成した成功例があまり伝えられず、むしろ「辛いことを我慢して努力をしても、上の歳にある人がみんなすくいとって奪ってしまう、そして自分は否定される」状況を多分に見ているから)。
自己肯定感の低い人は、世の中の動きに対して受動的に動く。自分から働きかけるのではなく、相手の反応にどう返すかを考える。そして、自分が大切。自分を大切にすることをしないと自分を保てなくなるから。不安だから。そういう気持ちをベースにメッセージを設計する。
— Uwapon┃Takao Uwano (@Uwapon) 2016年12月6日
うまくいかない原因を自分の内側に求めるというのが、最も簡単な現実逃避の方法。辛いときに「だから、やっぱり自分はうまくいかない」と言い聞かせると答えを見つけた感じになるし、それが積み重なれば積み重なるほど言い訳としては強固になる。でも、それって、負のスパイラルです。脱しよう。
— Uwapon┃Takao Uwano (@Uwapon) 2016年12月6日
草食系とか活力が無いとか覇気が欠けているとか内向的とも表現されるけど、この辺りの分析は非常に理解できる。自己が大切だから、一歩タガが外れると、逆に炎上事案的なことをやらかしてしまう。承認欲求云々も結局このつながりなんだろうな。
で、これは以前から何度か言及してるけど、人の中には一定量の同種への攻撃意欲・本能といったものがあり、これがどこに向かうかで、他への攻撃となるのか自身への攻撃となるのかが変わってくる。海外では他殺が多く、日本では自ら命を絶つ人が多いってのは、結局社会文化・本質的な影響を受けて、その本能的「やいば」がどこを向いているのかの違いでしかない、そんな気がするのだな。
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