ソーシャルメディア上の「傾向」は自分自身の「性向」でもある

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ソーシャルメディアは他人との意思疎通のハードルを低くし、情報のやり取りを容易にする機能がある。ただしそれは使い手側の取捨選択が多分に反映される。例えば雑誌でも、少年誌ばかりを買っていたら当然「雑誌は男の子向けの漫画ばかり載っている」と意識してしまうことになるけど、それと同じ。

ソーシャルメディアの場合は多分に、自分自身がカスタマイズした形での情報取得となる。フォロワーだったりフレンズだったりね。ニュースサイトのアカウントを取得してそこから情報を得るとしても、気を付けていないとやはり偏りが生じてしまう(業界系のニュースとかが良い例)。トレンドだけをチェックしているのならともかく、ね。

体系的なデータの取得結果で無い限り、「ソーシャルメディア上の情報にはこんな傾向がある」という話は、自分の性向をそのまま語ってしまっていることになりかねない。Tumblrのお尻云々ってのも、指摘の通り、使い手がお尻好きなのを暴露してしまっていることになる。

先日の米大統領選でも、ツイッターは悪態ばかり流れているとの話が出ていたけど、それは多分に使い手側の利用性向を語っていることになる。スーパーでカレーばかり買っている人が「このスーパーにはカレーばかりあるよね」と語るようなもの。まぁ、そのスーパーに比較的カレーの種類が整備されている可能性はあるけどね。

見方を変えると「ソーシャルメディアでは●×の傾向がある」ってのは、それだけ●×のデータを取捨選択しやすいと見ることができる。スーパーの例ならカレーを選びやすいということ。

この話、新聞社なのに広告がエロ系のばかりだという指摘をしたら、その広告は利用者の利用性向に合わせて選択されるタイプの広告であり、指摘した人の普段のアクセス状況を吐露してしまったことになったというケースに似ている。自分の行動性向、プライバシー的な情報をいつの間にか暴露してしまうってことには、気をつけねばいけないなあ、と思う次第ではある。

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このページは、不破雷蔵が2016年12月18日 06:48に書いた記事です。

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