前世紀末の映画「TOYS」が当時の未来、つまり現在を先取りしていたという話

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未来を描いた作品は往々にしてリアリティを出すために現在の延長になるような検証がなされるし、その作品が有名になればそれを発想のトリガーとして現実化しようとする人も現れるから、時として「こんな未来かも」と書かれた作品が、後に「結構当たってるじゃん」という結果になってしまうことがある。指摘を受けている「Toys」という、1992年の作品もその一つ、らしい。

荒野の真ん中に工場を持つオモチャ会社の社長が急死し、後を継ぐことになった軍国主義者の将軍が、オモチャの兵器化を目論んだ。しかし、前社長の息子で平和主義者のレスリー(ロビン・ウィリアムス)は、逆にオモチャを動員して将軍に反撃を開始する。


『ナチュラル』『バンディッツ』などのバリー・レヴィンソン監督が、反戦メッセージとオモチャの持つファンタジックな要素を巧みにドッキングさせた反骨のコメディ。工場内で繰り広げられるオモチャ・ウォーズの数々が非常に面白く描けている反面、そもそもオモチャとはかくも攻撃的な要素があるということに、軽い恐怖感も覚えてしまう。童心を失わずに大人になったという設定の主人公は、ロビン・ウィリアムスにぴったりであった。


多分に反戦コメディ的なタッチの映画のようだけど、見方を変えると「当時は」技術の伸長で可能となるかもしれないけど、ネタっぽいよなあ的な話が、今や現実のものとして社会に浸透しはじめていることになる。これはこれで興味深い話には違いない。


VRゴーグルは演出のためにやたらと配線が増えているけど、論理形態などは今のそれとほぼ同じ。ただ、トレーラーを見ると結線が鼻にも刺さっているので嗅覚もコントロールするようだ(話によると味覚も同様だとか)。他人が使ったものの再利用とか、自分のものでも使う際の衛生面の問題とか色々とあるけど、将来的にはこんなものも出てくるのだろうなあ......と。

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このページは、不破雷蔵が2016年12月 4日 07:09に書いた記事です。

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