プログラム作りと小説や物語作りは似ているようで違うようで

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最近のラノベ......に限らず、一部の小説や物語では出たとこ任せとかノリと勢いでどんどん当初のプロットを変えてしまったり、さらにはプロットそのものが無かったりする場合もあるのだけど。ある程度以上の長さを持つ小説、物語では最初に骨組み的なものを創り、そこに肉付けをする形で話を作り上げていく。話の中で織り込まれる数々の伏線、さらには伏線とすら意識しなかったかのようなエピソードに至るまで、終末まで連なる話の中のでは何らかの関わり合いがあったりする。まぁ、時間が無くなったり面倒くさくなったりなどの理由で、肉付けが途中でパスされたり、エピソードそのものが省略されることもあるけれど(それっぽい伏線の描写があるのにその回収がなされていないケースは、多分にそれが原因)。

この辺りの筋道を認識していないと、指摘のある通り、骨組みが定められていたり、要所のポイントが決められていると、ある程度流れが固定されてしまう。しかしながらそれが理解できていないと、無茶ぶりな要望が来るのも時事ではある。

この類の状況って、作り手側でも生じる事がある。世界観を上手く構築して自分の脳内にその世界が再生できるようになると、登場人物が息をしはじめ、設定した通りの動きを示し始める。自分のプロットが相応に巧みだと当初想定したような道筋を歩いていくのだけど、登場人物のアクが強かったり思い入れが強すぎると身勝手な行動をはじめ、話の本筋から離れるような、想定していなかったような挙動をしはじめてしまうことがある。これはこれで良い軌道修正となることもあるのだけど、その分、終わりに向けた修正が面倒になることもある。ただそれは、世界観が十分に把握できた上で、その世界や各設定にマッチした上での挙動であり、第三者が「じぶんがおもったのでこうすべき」というものとはワケが違う。


昨今では分散作業が当たり前になっているので、プログラマというよりはプロデューサーに近いお話になるのかな、という気はするけど、この話も言い得て妙。コードの打ち間違いや設定ミスの場合、エラーを吐いて止まってしまうので、その場で間違いに気が付く。でも小説の設定で間違いを打ち込んだ場合、その場でワープロソフトがエラーを出すわけじゃない。読み返しても気が付かないことだってありうる。沈んだ艦船が次の海戦では平気な顔をして登場しているとか。

ただ......プログラムも文法レベルのミスならエラーを出すけれど、構造レベルとか設定レベルのミスの場合、エラーを出さずにそのまま進行することは、実はよくある話。ゲームなどでよく見かけるおかしな挙動、例えば2枚しか引けないカードが4枚引けたりとか、この面では出てこないはずのキャラクタがなぜか登場するとか、特定の順番で装備を出し入れするとその装備が増殖するとか、ある挙動をするたびにお金が大量に入手できるとか。プログラムは止まらずにそのまま進行するけど、作り手側が設定した世界観が壊れてしまうってのは良くある話。

物語を作るのは、プログラムの作成とさほど違いは無いのかもしれない。世界を紡ぐって観点では何ら変わりは無いからね。

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このページは、不破雷蔵が2017年1月 9日 07:43に書いた記事です。

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