2017年度の賃金動向に関する企業の意識調査、結構期待できそう

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2017年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は51.2%。前回調査(2016年度見込み、2016年1月実施)を4.9ポイント上回った。調査開始以降で初めて5割を超え、過去最高を更新

今件における2017年度とは2017年4月から2018年3月、との認識でいいのかな。その時期における賃金改善の思惑を企業サイドから確認したもの。思っていても実行できなかったり、思惑とは別の話をしている可能性はゼロでは無いけど(実態調査では無いからね)、経年で調査をしている以上、相応の信ぴょう性はあると見ても良いだろう。

で、内容としては悪くは無いかな、前年度よりも良い感じかな、というのが第一印象。前年度、前々年度ともに見込みよりも実績の方が「ある・あった」の割合が増えている傾向を見るに、見込みの時点ですでに前年度を上回っている点を見れば、改善の度合いはともあれ、状況としてはよさそう。


詳しくは資料で確認してほしいのだけど、賃金の改善の実情とか企業の判断の理由とかが掌握できる、想像していたことと合致していたり、意外な点もあったりと、大変勉強になる。賃金改善の最大理由は「労働力の定着・確保」でこれが最大。当然といえば当然なんだけど、年々増加していくあたり、労働力が賃金を理由に離れていくリスクが拡大しているってことだね。これは結局のところ、労働市場が改善して労働者側がより良い環境を目指しやすくなったってことでもある。「賃金安いけど、辞めたら再就職は大変だし」って感じなら、企業側は労働力確保のために賃金を上げる必要性は低くなるから。

あと、人件費の増加見通しもあるけど、これは見方を変えると、どの分野が低賃金と認識されやすいのか、賃金が理由で離職されやすいのかを推し量る材料になる。ああ、なるほどね、という序列をしているよね。

「2017年度の従業員給与・賞与は約3.5兆円増加と試算」とあるけど、これは要するに、それだけ企業から労働者にお金がより多くわたる計算になる。当然貯蓄にも回るけど、相応額は市場に流れていく。購買力もそれだけ底上げされるのだよね。

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このページは、不破雷蔵が2017年2月16日 06:52に書いた記事です。

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