①先ほどの 少年・男性向けコミック誌部数動向(2016年10月-12月) https://t.co/thyJeTrfta の補足。今件は日本雑誌協会発表の「印刷証明部数」であり、あくまでも紙刷りの部数。有料電子版も合わせた各誌の展開部数そのものでは無し。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年2月9日
先日本家サイトで四半期単位の更新を開始した、印刷証明付き部数の精査。第一弾の【少年・男性向けコミック誌部数動向】を終えた後でちょいとした違和感を覚えたので、その覚え書きというか宣言というか。
印刷証明付き部数ってのは言葉通り、紙に印刷した部数に関する第三者機関の証明による部数。この「紙に印刷した」ってのが重要で、見方を変えるとそれ以外の媒体で展開された雑誌はカウントされていない。そう、電子雑誌は対象外。
昔ならば紙刷り部数≒全展開数≒その雑誌のビジネス的な売上指標として見る事もできたのだけど、昨今では紙刷版と同時に有料電子版を展開する雑誌も増え、その需要も高まっている。「印刷証明付き部数」と、雑誌の売上指標との差異が大きくなってきた感は否めない。
日本雑誌協会が有料電子版の購読者数の独自発表、あるいは合算した上での「印刷証明付き部数」を公開するとは考えにくく、また各雑誌社に正確な有料電子版の購入者数の開示を求めても首を縦に振らない(それが出来るのなら各社の上げ底な公称部数はありえない)。「印刷証明付き部数」はあくまでも紙媒体の動向として割り切るべきなのだろうな。他方、雑誌そのものの商品としての指標もそろそろほしいところ。かつてはまさに「印刷証明付き部数」がそれだったのだけど。
そのような指標が無いと、今コミック界隈で問題視されている「電子版の売上は作品の精査に影響が無い」(ところもある)と同じような矛盾が生じてしまう気がする......というか、すると確信している。
電子化は情報の可視化も推し進めるはずなのだけど、それがかえってビジネスの全体像を見え難くしてしまうってのも、皮肉といえば皮肉だなあ、と。
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