賃金構造基本統計調査も労働力調査も、ポジティブな結果が出ると報道界隈ではほとんど伝えられなくなりますし、突っ込んだ話はほぼ皆無になるのはどうしてなのかしら、と思うのであります。公的調査の結果はほとんど同じ傾向だといわれればそれまでですが。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年2月24日
2月下旬にほぼ同じタイミングで発表された、賃金構造基本統計調査と労働力調査。それぞれ賃金の動向、労働市場の実態を調査した多種多様なデータが盛り込まれており、中身をたどると経済の内情を推し量ることができる、ステキナイスな結果。悪いところはちゃんと悪い数字が出ているし、良いところはもりもり出る。状況の変化が生じていれば、それを反映した、示唆する動きも確認できる。
......のだけど。これらの結果ってほとんど伝えられないよね、的な。さわりの部分がちらりと触れられているのは数件確認できたけど、反復報道はほとんど無し。逆に、同時期に出た家計調査の年次分で、エンゲル係数が上昇しているところは何度となく伝えられている。これもちゃんとした理由があるのだけど、そこまで突っ込んだ話もさほど無く、上昇したから景気が悪いので政府が悪いので打倒しよう的な流ればかりでうんざり。
まぁ、ぶっちゃけるとネガティブな話の方が食いつきは良くなるのは否定しない。人の生存に関わるか否かとの観点では、ポジティブよりもネガティブの方が重要度は高いので、性質的にどうしてもネガティブの方が注目を集めやすい。ただしそればかりをやっていると、モノの真相が見えなくなってしまう。碁石入れから黒の碁石ばかりをピックアップして周囲に披露していたら、周囲の人はその碁石入れには黒しか入っていないと思うだろう。そんな感じ。
印象的な操作につながる、選り好みってのはするべきではないと思うのだけどね。
コメントする