定年退職した世帯主が再就職した場合、生活費は「実収入」=「勤労対価」「年金」と、「蓄財の切り崩し」の3本立てで賄う。むしろ「蓄財の切り崩し」「年金」で賄いきれない分を「勤労対価」で補う。当然、「勤労対価」だけで生活している現役世代と比べ、同じ勤労者世帯でも、実収入は低くなる、と。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年3月12日
先日あれこれと数字とのにらめっこをしていた記事【収入と税金の変化をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2017年)(最新)】での話。確かに実収入などは減少しているのだけど、同時に高齢者の世帯が増えていることとか、勤労者世帯の稼ぎ頭である勤労者が、定年退職後の再雇用者だった場合、平均値を確実に下げることになるよなあという考えが頭にリフレイン。
さらに日常生活を支える日々のお金は労働対価によるものとなるけれど、年金生活者で再雇用を受けた人は、実収入としての労働対価プラス年金からなる実収入と、蓄財の切り崩しで賄うことになる。となると、ただでさえ必要な生活費が少なめの高齢世帯では、実収入はさらに下がるのは必然となる。
実収入や非消費支出、可処分所得の動向を云々する時には、これまでのように総世帯のうち勤労者世帯で見るのでも不十分で、蓄財切り崩しが多分に想定される高齢層を切り離した現役世帯層と、高齢層のみを別途勘案しないとマズい気がする。
「実収入は低いけど蓄財切り崩しをしているから、生活は結構いい具合だよ」な高齢層も、実収入の上ではカツカツに見えてしまうのだな。その高齢層比率が増えるほど、全体の平均を押し下げるので、生活の実態指標としての実収入が役に立たなくなってしまう。前提や周辺環境が変化しているので、指標が役に立たなくなる、過去との比較ができなくなるってのは、同じく今日挙げたエンゲル係数の話と同じだったりする。
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