書籍は文章の集合体を紙に印字したもの。ならば物流革命は工夫次第で...という話

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これは当方も何度か本家記事でも言及している話で。ペンなどで原稿用紙に書き込んで原稿を出していた時代ならともかく、ワープロソフトなどでタイピングしてデータを手渡す、さらにはデータ入稿をするような時代になると、「編集校正作業はともかくとして、いくつか出版物でのプロセスをショートカットできないかな」ということに気が付いてくる。ディスプレイ上で編集加工して、それを印刷して、印刷物として仕上がったものを配本する。そのプロセスを一部省略して編集加工し終えたものをウェブ上に載せてしまうのがウェブマガジンだし、データそのもののやり取りあるいはアクセスができるような場所に置くのが電子書籍。

ならば完成データを一極集中した場所でするのではなく、ほしいと思っている人の近くに送り、そこで印字をするようにすれば...極論としてほしい人はデータを専用端末上に取得して、そこでそのまま印刷して手に入れればということになる。

この手法が一部で展開されている、コンビニの情報端末を使ったチラシサービスとか小冊子のプレゼント。ただ、ペラ1枚とかならともかく、製本が必要な冊子となると、コンビニの情報端末ではおぼつかなくなる。キンコーズのような印刷センターで専用端末が必要になるかな。無論端末はお高めになるのでランニングコストもそれなりにかかるから、まとめて一気に刷る従来の出版方法と比べるとページ単価は高くなる。けど配送料はかからないし、出版当日に入手ができる(利用者が一気に増えると端末がパンクするけど)。

まぁ、紙へのプリントすら要らないってのなら、電子媒体でデータとして取得すれば、印刷端末だのランニングコストの心配すら要らないのだけど。必要ならば自宅のプリンタでプリントアウトすればよい...ってこれはアレだ、3Dプリンタと似たような概念だな。

で、この「受取側の近くで印刷する」って考えは、実のところ速報性の高い新聞が一番適している。それを成さず、むしろ最近では共有化による集約の方向に走っているのは、ひとえにコストの問題。一度にまとめて刷った方が単価が下がるので、あちこちで印刷をするよりは、まとめて刷って配送した方が、配送料はかかっても総合的に安くなるとの思惑。

見方を変えればこの方面で技術革新なり発想の転換が起きれば、新聞などの印刷物における革命を引き起こせるかもしれないのだな。個人的には3Dプリンタのように「データで購入者個人が受け取り、気が向いたら自前のプリンタで好きなところだけ出力」的なスタイルが当たり前になるのを望むのだけど。書籍レベルの本を「出版」するのは、コンビニの情報端末ではちょっと負担が大きすぎるなあ...。

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このページは、不破雷蔵が2017年3月23日 08:03に書いた記事です。

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