「給料が2倍になっても物価も2倍になったら意味がない」ということは無い

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デフレからの脱却と緩やかなインフレ化は経済の促進を後押しし、お金の周りが良くなることで社会文化技術などさまざまな分野の後押しがなされるようになる。「みんな貧乏が悪いんじゃ」という名セリフがあるけど、それは揶揄でも何でもなく万物の真理。お金はあらゆるサービスや物品を同一指標として数字化したまでの話というのは、先日もしたばかりのこと。

で、昨今インフレ反対デフレ万歳的な話がまた持ち上がっている。単に現行政府が脱デフレ政策を(まだまだ物足りないけど)してるからだとか、手持ちの資産が減るのがイヤだからとか(特に債権持ちやその界隈)いった思惑が透けて見えるのだけど。その中の話の一つとして、タイトルにも挙げたように「インフレなどで給与が2倍になっても物価も2倍になったら何の意味もないじゃないか」というのが見受けられる。

けど指摘の通り、仮に給与が2倍で物価も2倍になったとしても、借金は目減りして半分になる。なぜか? 借金は額面で勘定されているので、物価の影響は無いから(利息が物価連動などの契約なら話は別だけど)。見方を変えれば、デフレになると借金は余計に大きな負担となるのだな。得をするのはお金を貸している方、額面が固定されていない資産をたくさんもっている人。


で、当然ながら物価が2倍になれば額面で貯蓄していたものの価値も半分になる。それも事実ではある。ただそれは同時に「黙って貯蓄していても価値が減るのならば、ため込んでいるのは損なので何か物を買ったり投資した方が良い」という、お金の循環を促進させる活力になるわけだ。元々お金ってのは蓄積できる機能だけじゃなくて、対価としてやりとりする機能もあるわけだからね。

......そもそも「所得が2倍になっても物価も2倍になったら意味がない」ってのは多分、池田内閣の所得倍増計画周りの話で、「所得倍増計画で所得は2倍になったけど、物価も2倍になったので生活は楽になりませんでした」的な話から来ているのだと思う。当方も漫画の歴史本でそんな描写を見た事がある。ただ、実際に物価が所得に連動して上昇したようには見えないし、生活の充実面では確実に底上げはされているんだよね。

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このページは、不破雷蔵が2017年4月22日 07:41に書いた記事です。

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