正当な労働には正当な対価。これがあって初めて経済はまわる

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先日日銀側から「失業率は改善されてきたけど賃金上がってないよね」という、これまでの日銀としては目を疑うような言及がなされたり、人口推移の推計が出た後で経団連が「だから労働移民を」という前世紀の概念をそのまま引きずったポンコツぶりの提言をドヤ顔で語り、ああこれも以前【ロートルの弊害と社会構造との関係】で指摘した老が、もといロートル衆の弊害なのだなと認識したり。

その辺りも含め、企業側の人材不足の話は先日の景気ウォッチャー調査の結果でも指摘されてたけど、結局のところは正当な労働に対する正当な対価の概念が雇用する側に薄いのが問題だという感はある。色々なスキルは求めるけど、賃金は抑え目。そうすりゃ雇う側の利益は増える、少なくとも減ることは無いので評価されるという認識なんだろうけど。まさに「黙っていても人材はやってくるはずだ」というデフレ感覚。この辺りは先行記事の、パソコンスキルと企業側の対応の話にも通じる所がある。求めるのならば相応の環境整備と姿勢を見せねばならない。

良い対価を示し、それを継続させれば、その状況におけるそろばん勘定の結果「魅力的だ」と判断され、人も集まるようになる。儲かる仕事で無ければ人は集まらないし、お金が稼げない業界はどれほど品質が良くても衰退してしまう。ならば「うちだと支払いはいいよ」ということを実際にアピールし、実行しなきゃいけない。払いはケチケチ、でもやることはもりもり増える。それが通用したのは求人倍率が1を切るのが当たり前だったデフレ時代のお話。例えばコンビニバイトのように、多忙で多方面のスキルが要求される職種は、時給2000円ぐらいにしないと良質な応募者はこないよね、的な。


正当な労働には正当な対価。お金は評価の物差しであり、その評価が十分なものでなければ、受け手側は自分が正当に評価されていないと認識するので、距離を置くのは当然の話。500円の価値があるものを「100円で買う」という人が現れても無視を決め込むのは当然だよね。今の「人手不足」の少なからずは、まさに需給のミスマッチというよりは、労働対価の変化に気が付いていない、あるいは認めようとしない雇用側にあるのではないかな。

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このページは、不破雷蔵が2017年4月12日 07:54に書いた記事です。

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