グラフや地図の類は引用元が明記されていない限り、何らかの意図が盛り込まれていたり意図的な間違いによるものだったり、さらには昔のデータであることが少なからずあるので、要注意でござるよ。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年4月16日
先日も半島情勢の緊迫化に伴い、某国の中距離反応弾道弾が仮に東京に着弾したら的なものとか、半島周りの空路動向が変だという図版やら動画が出回ってきたのだけど、どうも使われている文字列が胡散臭いし、冷戦時代に色々と精査した話とは勝手が違うというか違和感を覚えたので、一切スルー。案の定、ほどなくして専門家などから技術的・軍事的ツッコミや、発信元のアレな背景とかが色々と出てきて、いつもの如く扇動家や山師やページビュー稼ぎなどの策動だったのかな、ということで一件落着......としたいところだけど、ツッコミがすべての人に浸透するわけでは無いので、ガセ情報に惑わされている人もいまだにいるのだろうなと思いながら。
以前からちらほらと触れてはいるのだけど、ソーシャルメディア、中でもツイッターはつまみ食い的な情報取得が容易にできる仕組みとなっているため、必然的に詳しい実情が把握し難い、能動的にならないと取得に苦労する仕組みとなっている。電車のつり革広告ばかりを見まわしているような感じ。
そして中にはその仕組みを悪用し(意図的に、あるいは無意識で)、事実と異なっている情報や送信側の思惑を事実のように伝えようとする人たちがいる。そのような意図を持っている時には、文章よりも画像、グラフや図版の方が目的を達成しやすい。動画は再生するのにワンクッション必要だし、受け手側の時間を長時間拘束するから、ハードルは意外に高い。短時間でインパクトのあるものなら話は別だけど。
そのような意図のもとに発信されたグラフや図版の場合、大よそ引用元が明記されてなかったり、すぐにたどり着けないような表記がされている。元々信ぴょう性が低いところの発信でも、大元のソースが官公庁とか公的機関だからと書いておけば、見た目には高い信頼性を得ることができる。OECDのデータを元に云々とあってもその調査対象の詳しい設定が分からないし、元々のグラフを掲載していたのは機関紙だったりとかいうのが最近よく見かけるようになっているけど、それが良い例。
さらにそこから一歩進んで。「なぜすぐに一次ソースが当たれるような引用元が明記されていないのか」まで考えると、色々と楽しめる。当たられると困るから、意図が見抜かれるから。まぁ、そこまで深い考えをもっているわけじゃないのかもしれないけどね。
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