「街の声」とか「読者の声」は「そういう声もあるよね」でしかなく「大多数が同意見」を意味しない

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任意抽出型のアンケートはそれをどのようにして取捨選択したかは語られること無く、それがまるで不特定多数の代表としているかのように伝えれる。以前は個々の間の声が第三者に伝わり、それが結び付けられる機会は無かったのだけど、今ではインターネット、特にソーシャルメディアのおかけで、それが容易に可能になった。無論多分にフェイクリスクを勘案する必要もあるのだけど、当方もこの類の話は実体験をしているので、全部が全部ウソとも言い難い。またフェイクリスクの精査もある程度個人ベースでもできるし。

で、テレビ等で見かける「街の声」が「任意抽出」の問題の代表例。番組構成的には不特定多数の意見の代表であるかのように取り上げられているけど、それが果たして多数意見であるか否かを立証するものは何もない。最近個人個人の情報交換が容易になり、テレビ側が伝えたい内容で無い場合はインタビューの類は無かったことになるってことが確認できるようになった。昔からこのようなケースは多々あったのだろうな、という感はある。恐らくは以前から同じ手法を使い続けていたのだろう。

要は台本があり、その台本に従った、都合の良い「街の声」が採用される。あれはデータでも何でもない。

以前にもたとえ話をしたけど、「碁石入れから意図的に黒い石のみを取り出して見せて、『この碁石入れには黒石しかありません』と騒ぐ」のと同じ。その観点では新聞の「読者の声」もまたしかり。そのような意見があるかもしれない、というレベル以上の価値は無い。当然、世論・多数がそのような意見を有していることを意味しない。あるいはその街の人や読者ですら、伝える側のサクラである可能性もゼロとは言い切れない。

見方を変えればそこまで報道の信頼性は損なわれているし、そうならざるを得ない所業が続けられているわけなんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年4月24日 06:29に書いた記事です。

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