高等教育の無償化にかかわる話と「教育科学国債」と

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日本維新の会の橋下徹法律政策顧問(前大阪市長)が、党が掲げる教育無償化の財源に相続税増税の検討を党所属国会議員に提案していることが3日、分かった。教育無償化について、維新は憲法改正の柱に位置付けており、安倍晋三首相(自民党総裁)も前向きな考えを示している。自民党との間で財源論が加速すれば、国会で改憲論議の進展につながる可能性もある。

以前にも言及した記憶がある、高等教育の無償化に絡み、財源をどこから抽出してくるかという話。今件記事に関してはコメントで次のように言及した。

建設国債が発行できるのは財政法に定められているからですが、その理由として建設された各種公共施設は長期間に渡り国民に恩恵をもたらし、有形無形のリターンが大きいからです。その考えに基づけば、教育への支出に国債を充てるのは、建設国債と同様に長期的に、さらに累計的なリターンをもたらすことから、全く道理に適っています。さらに建設国債で一部から指摘される「特定業界にのみ大きな恩恵がもたらされる」との批判も教育国債なら生じ難いのもポイントです(実は建設国債も特定業界云々ということはないのですが)。


他方、相続税の増税や「徹底した行財政改革で捻出した「税金の無駄」」による財源確保との話は、大義名分にかこつけた増税・緊縮財政でしかなく、経済の縮退に直結します。震災後にうやむやな形で導入されてしまった復興特別所得税の二の舞です。

なお「こども保険」は保険で無いものを保険と呼ぶ時点でお話になりません。


大よそこのコメントで言いたいことは言っているけど、教育費周りは財源云々をいうのなら、リターンは中長期的に、累計的に生じるので建設国債と同じ。物理的なものか、人の教育かの違いでしかない。

箱モノは概して特定地域にしか影響を及ぼさないけれど、教育や科学は全体的な恩恵となりうる。財政法に記述が無いとのツッコミもあるかもしれないけど、法的に問題が生じるのなら追加、あるいは新設すればよい。

教育にかこつけて増税をしようだの、保険という名前をつければ新税導入もごまかせるだろうとか、ストレートな表現をすれば頭の良い話とはとうてい思えないのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年5月 5日 07:27に書いた記事です。

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