デフレは経済を、ひとを傷つける

| コメント(0)


さる方の死去に伴い、財政緊縮やら財政規律やら消費税やらの話がまた盛り上がりを見せている。人が亡くなることを惜しむのは人として当然の話ではあるけど、それとその人が生前に成していたことの実情をすり替えたり無かった事にしたり、さらには生きている人達や今後に向けた話に悪用するのを正当化するのとは別の話。

デフレは経済を緊縮させる。これは結局、水槽の中で飼っている金魚に対し、餌の量を少なくしたり、水槽の酸素供給を減らすようなもの。体の弱い金魚から命を落としてしまう。

バブル崩壊後のデフレ経済時期は「失われた~年」と呼ばれているけど、その時期に就活をしていた人たちにとっては、特にITバブル崩壊や直近の金融危機以降の時期に就職活動をしていた人達にとっては、デフレは災いの権化でしかない。成長は悪だ、脱成長こそあるべき姿だとか、清貧が良しだとか、お金は悪だとか、どこの誰が得をする話なのかな、と。


昨今はそのような地獄的な状態から抜け出しつつある、少なくともその気配を見せているだけ救いがあるし、実数値の上でもそれが実感できる(消費税廃止と物品税などの復活でさらに底上げはできるし、消費税の引き上げなど言語道断だけどね)。

雇用情勢に限っても指摘の通り、振れ幅はあるけど全体的に見ればこれを悪化しているという表現は使えない。感情や企みごとをポリティカル・コレクトネス的なもので装いつつ、棍棒代わりに振り回すのは、そろそろ止めにしてほしいものである。数理と実情こそが事実であるのだから。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2017年5月26日 07:50に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「もりとかけとてんぷらと」です。

次の記事は「扉の反対側に人がいることを教えてくれるセンサー」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30