上下1枚だけが本物の万札の「100万円の札束」は今の報道の実情を表している

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先日当方が就寝した後に伝えられた、今の報道の実態を表す興味深い事案。例のそば事案(森友・加計)の最初の方の森友学園の該当人物の一人である前理事長が、寄付されたお金を返すとして報道勢を集めてパフォーマンスをした件。受け取り側とされる側は渡していないとしているし、受け渡しの証拠も虚偽だらけで、多分に妄想的なところがあるのだけど、体制側を叩く材料としては良いもの、印象操作の素材の一つとしてうってつけということもあり、いくつかの報道が繰り返し伝えている。

が、見れば分かる通り、100万円分の札束とされるものも、上と下の1枚ずつ(あるいはもう数枚あるかもしれないけど)が本物の万札で、中に挟まっているのはコピー紙か何かの紙。「銀と金」に出てきたフェイクの札束とか、テレビドラマに出てくる誘拐犯に渡す贋金みたいな感じ。


指摘もされているけど、取材の部分を捉えた長めの映像では、一応記者がツッコミをしてるんだよね、その場で気が付いて。しかしながら伝えられている記事の多分は、その話には触れておらず、本当に100万円を返そうとしたように見せている。指摘もされている通り「籠池さんが「安倍昭恵さんに100万円返しに来た」という印象操作」以外の何物でもないし、それを「報道」として通してしまう現状に、色々な危機感を覚える。

テレビや新聞ではこれが繰り返し伝えられるのだろうし、良い切り貼り編集の材料にもされるのだろう。そしてテレビや新聞だけを情報源としている人達は、その印象を刻んでしまうのだろう。

あれをあのまま、解説も無く垂れ流すのは、フェイクニュース以前の問題で、精査分析もできない、観光地の顔埋め記念写真の書き割りレベルで舞台劇をやっているようなもの。今の報道の質が改めて認識できる。反社行動のための世論誘導・印象操作に使う、読者・視聴者稼ぎのネタとして利用し、後にちょっとだけ「だまされてました、てへぺろー」とでもするのだろうか、報道界隈は。山ほど事例はあるけど、例えばオウム事件の時のように。

あの「百万円の札束」の見た目と、その中身は、まさに今の報道業界の実態そのものを表しているのだろう。そう考えれば、納得もできてしまうのが悲しいところではある。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月22日 07:44に書いた記事です。

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