家計調査の消費支出の結果に絡んで色々と揶揄するTWが挙がってますが。報道内容のみでバッシングするのではなく、実数値を見て判断することをお勧めします。家計調査(二人以上の世帯)平成29年(2017年)4月分速報 https://t.co/zlz9nwN7NA pic.twitter.com/34U9NKHeje
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年5月31日
先日発表された家計調査の月次最新データである2017年4月分速報に関して、消費支出が減少した理由の一つとして「さけやいかが値上がりして手を付けにくくなったからではないか」と報じられたところ、あちこちからこれを揶揄する声が上がった。昨今の報道は政治や経済に関しては特に、記者側の思いつきや核心的利益が優先して、中身を精査せずに広めてしまう傾向があるので、それに便乗すると大やけどを負うことになる。
で、今件もさけやいかに関してリスト化してディスったり、どれだけ大量に食べているんだ的な話があったので、肝心の家計調査の公開値を確認したのがこれ。
報告書の特記事項にもさけやいかがそのまま書いてある......というかこれをそのまま言及しただけの噺家と。より寄与度が大きい、つまり影響を与えた要因としては、自動車関連や私立大学・専修学校の授業料があるのだけど、これは色々な要因が考えられる。前年同月との比較だから、少子化の影響もあるかもしれないし、授業料の低下や私立大学への就学者の減少の可能性もある。数年間の動向や関連パラメータを確認して、これがイレギュラーな値なのか、他の事象の結果によるものなのかを見極める必要がある。自動車周りは税制が影響してるのかな?
......なんてことを考えると、統計値を見るのも楽しい話には違いない。
平成29年4月度・チェーンストア販売概況 https://t.co/eSAL8YsdRN pic.twitter.com/9L83gBsvDT
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年5月31日
農林水産統計月報 https://t.co/gtMgTjlCO5 直近分より。2017年3月時点でさけの小売価格は前年同月比で約1割のプラス、するめいかは生鮮が3割強のプラス、近海冷凍が7割強のプラス。するめいかは水揚量が前年同月比で3割足らずにまで減少してます。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年5月31日
在庫量は前年同月比でさけ類の冷凍ものが2割近くの減退、いか類は3割近くの減退。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年5月31日
で、いかとかさけの話だけど。実際、4月やそのちょいと前の関連動向を見ると、確かに動きが鈍いとか、価格が思いっきり上昇しているってのが確認できる。あてずっぼな数字ではなく、色々な事案が生じていて、その結果として買い控えが生じているのだな、と。
ということで。面白いネタだったとしても、その背景を確認せずに揶揄をするのは良くないよ、というお話でした。いや、実情をチェックしても揶揄はよろしい話では無いのだけど。
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