家計調査の「さけ」と「いか」

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先日発表された家計調査の月次最新データである2017年4月分速報に関して、消費支出が減少した理由の一つとして「さけやいかが値上がりして手を付けにくくなったからではないか」と報じられたところ、あちこちからこれを揶揄する声が上がった。昨今の報道は政治や経済に関しては特に、記者側の思いつきや核心的利益が優先して、中身を精査せずに広めてしまう傾向があるので、それに便乗すると大やけどを負うことになる。

で、今件もさけやいかに関してリスト化してディスったり、どれだけ大量に食べているんだ的な話があったので、肝心の家計調査の公開値を確認したのがこれ。

報告書の特記事項にもさけやいかがそのまま書いてある......というかこれをそのまま言及しただけの噺家と。より寄与度が大きい、つまり影響を与えた要因としては、自動車関連や私立大学・専修学校の授業料があるのだけど、これは色々な要因が考えられる。前年同月との比較だから、少子化の影響もあるかもしれないし、授業料の低下や私立大学への就学者の減少の可能性もある。数年間の動向や関連パラメータを確認して、これがイレギュラーな値なのか、他の事象の結果によるものなのかを見極める必要がある。自動車周りは税制が影響してるのかな?

......なんてことを考えると、統計値を見るのも楽しい話には違いない。


で、いかとかさけの話だけど。実際、4月やそのちょいと前の関連動向を見ると、確かに動きが鈍いとか、価格が思いっきり上昇しているってのが確認できる。あてずっぼな数字ではなく、色々な事案が生じていて、その結果として買い控えが生じているのだな、と。

ということで。面白いネタだったとしても、その背景を確認せずに揶揄をするのは良くないよ、というお話でした。いや、実情をチェックしても揶揄はよろしい話では無いのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月 1日 07:09に書いた記事です。

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