構成員の不祥事と作品の非公開化と

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俳優、芸能人の不祥事...その中身は事故だったり薬物だったり異性問題だったりと色々なんだけど...が発覚するたびに、その人が出演しているドラマや映画、その他映像番組や作品が公開中止となったり、該当者部分のカットが行われる。

そのようなケースが多々あるので、あまりにも当たり前すぎる感じで受け流しているけど、よくよく考えてみると結構おかしな話ではある。例えば制作会社全体で犯罪に手を染めてその作品にも関わり合いが多々あったり、主演の俳優で不祥事と作品の間に何らかの因果関係がありそうな描写がなされていたのならともかく。脇役とかの場合でも、一律お蔵入りさせられる傾向が強いのは何でだろう。当人が活動を自粛するのはさておくとしても。

読者・視聴者や有識者から「あのような問題、騒ぎの対象をそのまま出すのは不謹慎だ」という非難を受ける可能性があるからとの配慮によるものなのか。犯罪者、あるいはそれを疑われた対象を公知してよいのかといった、いわゆる自主規制的なもの。「事態を深刻に受け止め」的なコメントはするのだろうけど。

指摘されている通り、コミックや小説では昔の作品における描写が、今の社会慣習と食い違う、問題がありそうな場合、巻末に「歴史性を考慮して」「当時に忠実に再現を」などとのお断りを入れて、そのまま通す場合がある。手塚先生の作品には結構見られるね。もっともキャラのセリフ回しとかコマの描写単位で差別的と解釈される用語が版を重ねるに連れて変化するってのも良くある話だけど。

自主規制以外に、いわゆる連帯責任ってのもあるのかもしれない。構成員の誰かがそれなりの不祥事を起こしたのなら、その作品にも責はあるべきだ、といった感じ。

でもそれを言うなら、連帯責任云々が正当化されるのなら、記者や編集、さらには上層部の不祥事が生じたら、その人が携わってきた雑誌や番組、新聞そのものもお蔵入りをさせなきゃならなくなる。主演やメインキャスターの犯罪でその番組が終了するってのはたまにあるけど、局の関係者とか新聞界隈での話はほとんど聞かない。

犯罪に関わる者を公知させるなというのなら、犯罪報道そのものもできなくなる。作品に関わっているとかってのは犯罪報道では無いのだから別問題だと指摘があるかもしれないけど、その仕切り分けはどのようなもので、その正当性は誰が担保するのか。色々と曖昧な感は否めない。

個人的には雑誌やコミック同様、但し書き・注意をすれば、よほどの悪質なモノでない限り、作品まで封印することは無いと思うのだけどね。それこそ表現の自害って感じがするし、方向性は全く逆だけど観念としては、某プロダクションの所属タレントがネットには絶対姿を出せないように規制しているのとあまり違いがない感があるのだな。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月11日 08:08に書いた記事です。

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