搾取できる労働力と技術革新と

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以前米国の不法移民の集中している地域と民主党の支持母体地域が随分と近しいとの話をした。政策や所属議員の姿勢を見ても、大よそは民主党が不法移民の許諾・認証で、共和党が反対(&合法移民への支援)的な方向性であり、要はそれぞれの利益に合致した議員が党を構成しているのだろうなあ、という事を思いながら。

例の欧米特有のフォントを使った抽象画が出回るほど、話は具体的で深刻なのだろうなあ、と。同時に指摘されている通り、搾取できる労働力があれば、そちらに労働を放り投げてしまうわけで。そこからは何の技術革新も生まれ出てこない。ローマの話も無論それだけが原因ではないのだろうけど、説得力はある。要は気兼ねなく使える労働力が人間として存在するか、動物がいるか、機械や技術に任せられるかの違い。


「安価な労働力使い放題」が例えば無料なりそれに近い額ならば、どんどん使い倒していく。少しずつ対価が上がってくると(直接の支払い金額だけでなく環境整備などの間接投資も合わせ)、これまでの安い経費で済んでいたソロバン勘定ができなくなり、駄々をこねるか、別の安い労働力を探すか、別の部分でコストダウンをして労働力確保に充足するか、ビジネススタイルを変えてもっと稼げるようにしなきゃならない。方向性は色々とあるけど、「安価な労働力使い放題」というのは一種の媚薬のようなものなのだな。安穏とできるけど、そこからは何も生まれ出ない。家畜のような存在となる。

昨今の人手不足云々の話も、多分にこれと通じるものがある。デフレ感が強くて使い倒しができた人材確保ができなくなった。環境が変化してきたので、ビジネスモデルを変えるしかないのに、それをせずに「安価な労働力」が欲しいと駄々をこねる。あるいはコンビニやスーパーのレジにおける機械化も似たパターン。

不法移民を「安価な労働力使い放題」として見るか否かってのは米国の問題ではあるけど、その見方、視点ってのは米国に限った話では無いのだなあと思う次第ではある。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月12日 07:04に書いた記事です。

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