ゲームの姿かたちの保存とスマホゲームと

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【ついにスーファミも復刻版「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」が登場】で触れたように、スーファミの再現アイテムが登場することとなり、スーファミ現役時代にゲームをたしなんでいた人たちが歓喜しているわけだけど。指摘の通り、今主流のスマホゲームは同じように取り扱われるのだろうかと考えると、正直ダイナミック難しいなというのが実情。

以前も言及した記憶はあるのだけど、スタンドアローンではなく、オンラインの、クライアント方式のゲームは、基本的に作り直すのは困難。プレイヤーが有するクライアント部分だけを再現しても、ゲームが再びできるわけでは無いからね。放送局の無い時代にタイムスリップしたら、テレビを持っていてもテレビ番組が観られないのと同じ。

単にビジネスとしての復刻版的な観点だけでなく、文化とか業界の記録とかいう観点でも、過去の動向を記録できないってのは、実はクリティカルな問題ではないかな......という気がする。それこそ古代遺跡を発掘して、石板や絵画を見て、当時の状況を推測する、そんなレベルでしか保全ができない気がする。


権利問題が複雑なゲームをリバイバルするときの難しさは、スタンドアローンであろうとネットゲームであろうと変わらない。技術的な面はそれこそあと十年単位で技術進歩が成されれば解決できる部分もあるだろう......けど、構造的な部分、例えば指摘もされてるけど、多人数が集まってプレイすることで初めてそのゲームの本質が分かるようなものは、再現は不可能だろう(AIを駆使してNPCをそれっぽく作るとか?)。


けものフレンズのアプリゲームが物語的に語られているのを見るに、本当に考古学的な感じになる気がする。今ですらその傾向が強いのだから、あと10年も経てば現在のスマホアプリゲームやパソコン向けのネットゲームはその多分が、今の昔ばなし的な伝承レベルでの曖昧な情報でしか伝えられなくなるのだろう。たとえ動画や画像が残っていても。

そしてさらにもう10年ぐらいたつと、スタンドアローンがメインだった時代の後、ネットゲーム全盛の時代は、歴史的には詳しい情報が分からない暗黒時代として語られる事になるのかもしれない。いや、あまり冗談では無く、多分にマジで。

もっとも、どのような技術進歩があり、仮に完全に近い形でクライアント型のアプリゲームが保全できるようになっても、それがビジネスとして成り立つか否かを考えると、あまり良い結論にはならない。その技術を使って新しいゲームを作った方が、採算は取れるようになると見るのが普通だよね。

それを考えると、非採算ベースで事業として行える、公的機関なり非営利団体がやるべき仕事になるのだろうなあ......とぼんやりと思ったりもする。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月28日 07:59に書いた記事です。

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