「関係者」「関係筋」は「マクドナルドでの女子高生いわく」と同じレベルの信ぴょう性

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文中に「いわばフリーター」とありますが、総務省の労働力調査によればフリーターの定義として


「パート・アルバイト及びその希望者」(厳密には「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」
かつ
「パート・アルバイトとして雇用されている」
「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」
「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」
のいずれかの状態の人

を指します(ちなみに2016年分の労働力調査では15~34歳のフリーターは155万人と推計されています)。

よって「大学院にも通」っておられる以上、小室氏はフリーターではありません。

なお該当部分の言及をしたのは「宮内庁関係者が声低く明かす」とありますが、特定されていない以上、本当に宮内庁関係者であるかは不明です。編集者による創作の可能性は否定しません。


先日のポストセブンの記事。まぁ、ポストだから信憑性云々はもとよりアレではあるのだけど、ウェブ上で展開されるとその辺が結構雑に扱われるので、しっかりと指摘をしておく必要があるかなってことで「フリーターやないやん」とのツッコミ。

それに合わせて「関係者」なる表現が出てきたので、良い機会もあり、ちょいと覚え書き。

「関係者」「関係筋」をはじめとした肩書やそれっぽい表現で言及者を特定しない場合は、公文書問題における個人のメモ書きと同じ。報道内でどのような内部ルールがあり暗黙の了解的な話があったとしても、第三者の裏付けがない・できない以上、信ぴょう性は皆無と判断しても差し支えない。その関係者が本当に関係者であるとの証明・証拠は提示できるか、暗黙の了解なるものの担保はどこにあるのか、破られているか否かは誰かが検証し、破られていた時のペナルティなどの罰則規定はあるのか。方便の信ぴょう性を底上げするための言い訳でしかないのではないか。

「関係者」とか言われても、その表現での言及内容が、本当に関係者から語られたか否かは分からないのだよね。そしてその言及内容が本当か否かもわからない。これも大切。従って、記事としては埋め草以上の価値は無い。本来の報道ならある程度は本当に関係者の匿名的な語りで、内容も事実相応のものが多分にあったのかもしれないけど、今はもう実情がバレており、そのような信頼をするような対象ではなくなっている。

今件は見方を変えてみればすぐに理解できるはず。「立場を明確にしないということは、責任を持たないということ。仮に該当する当事者の発言だとしても、責任を持てない・持たない言及に、どこまで信ぴょう性があるのか」。しかもその発言が、本当にその当事者によるものであるかどうかの保証すらない。

例えとして、A社による「画期的な新商品が出る」とのリーク話の記事が「A社の関係者の話によると」という説明で出たとする。その「関係者」が本当にA社の関係者であるか否かはその記事では保証は無く、A社の該当商品シリーズの担当なり統括者で事情を知る者であるか否かもわからない。さらに、本当にA社の事情が分かる者によるものであったとしても、単なる勘違いや読み違いによる情報だったり、社内闘争に用いるためのフェイクなリークである可能性も否定できない。さらにはインサイダー取引に使うためのニセ情報の可能性もある。

結局のところ、匿名掲示板での「マクドナルドで女子高生が話していた」「親戚の友達から聞いた話」レベルでしかないのだよね。


さらにいえば指摘の通り、実名によるインタビューや報道記事ですら、意図と異なる報じ方が日常茶飯事化している昨今においては、本当に関係者なる者の語りであったとしても、そのままの意図で、歪曲されて伝えられているとは思えない。

そこまで報道の信ぴょう性は落ちてしまっている。あるいは元々そうだったのが、その実情が暴露されてしまっているのだよね。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2017年7月 7日 07:58に書いた記事です。

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