雑誌が売れなくなると「新しい作品との出会い」が少なくなるので、特に新人が不利になる。これを解消するためには、例えば「電子書籍の単行本を20冊買うと、無関係な新人の単行本が1冊付いてくる」ような形が考えられる。できればAIで「別ジャンルだけど好きそうな作品」を推薦できると良い。
— 赤松健@UQホルダーアニメ化決定! (@KenAkamatsu) 2017年7月12日
コミック系雑誌は特にだけど、雑誌は多作品の集合体という形で構成されているため、自分が目当ての作品以外も目に留まってしまう。その出会いの中で、新たな好みを見つけることもあるし、意外な作品と出会う機会も得られる。専門店ではなく総合取扱店での買い物のようなもの。
雑誌が売れずに単品買いがメジャーとなり、ウェブ上の作品展開も基本的に単作品ごとの展開となると、そのような「新しい作品との出会い」の機会が少なくなり、新人が不利になるというお話。これは確かに一理ある。
だから購入件数に応じて新人の作品が一冊ついてくるという話は面白い。
ただこの新規アプローチ云々の話、実はウェブ系の販売サービスではすでに半ば取り入れられている。「この商品を買った人はこんな商品も」「この商品を見た人はこのような商品を購入しています」という、アマゾンでお馴染みのアレ。加え、メールサービスを受けていると時々やってくる「これまでの購入履歴・閲覧履歴に基づいてのおすすめ」も同じようなモノ。あれは巨大な利用データをもとに最適化した推測値なので、結構ストライクなおすすめをしてくるのが嬉しい。これに新人の作品か否かっていうパラメータを加えればよいまでの話。
ただそれって、業界・作り手側からの視点であり、販売側の視点ではない。新人だからチェックしてってのは、業界側としては切実な願いだけど、販売側としては新人だろうがプロだろうが、買ってくれそうな、好きそうな商品をお勧めしたいところ。このギャップをどのように埋めていくのかが難しい。
コンシェルジェみたいな立場の人がたくさんいて、その人がお勧めするってスタイルもありかなあと思うのだけどね。アマゾンのアソシエイツプログラムの利率が高かった昔なら、そのようなビジネスモデルも成立しえたのだけど、今では無理なんだよなあ......。
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