統計上の、全体としての動きと「自分は」と

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先日の国民生活基礎調査における生活意識とか、実質賃金周りでもよく見聞きし、そして故意に拡大される感はあるのだけど。景況感の動向とかに関しては、こんな話はよく聞く。いわく、話にあるような景気の復興は無い、株価が上がっても自分には関係ない、雇用市場が良くなってるという話だけど知った事ではない、的な。一方で、株価が下がったり雇用市場の値が悪くなったりすると、同じ界隈では大騒ぎするのが関の山なのだけどね。

景気は良くない、数字はウソだ、と当方にツッコミを入れてくる方の少なからず、いや多分は、政派的な意見を除けば(政派的な意見の場合は結論が先にあるので、どのような説明をしても無駄)「自分は」が主語にあるのだよね。要は自分が景気良くなっていないからダメだ、自分は株を持っていない、自分の株が上がっていないからダメだ、自分の雇用が改善されていないからダメだとするもの。もっとストレートに表現すると「俺に金をよこせ、さもなきゃ景気は悪い」。無茶をいわないでほしい。

統計周りでも全体としてこのような形ですよ~的な話をすると、必ず一定数「自分はそうでないからウソだ」というご意見をいただく。多分に妬み・嫉みもあるのだろうし、自分が平均に収まらなかったことに腹立たしさを覚えるのだろう。他方、それより上回っていた人は、あえて声を挙げて意見することも無いから、結果として「ウソだ」の意見が目立つようになる。理不尽ではある。

個人の意見と社会全体の動向をごちゃごちゃにしてはいけない。居酒屋の酔っぱらいの戯言とか、テレビの野球中継を前にくだを巻くレベルの話ならいいけど、不特定多数に向けた言及として成しては問題がある。

そのような話となると、面倒くさい、リソースの無駄となるので、大体そこで生温かい目で見守るモードとなる。ただ、仮に「ではあなたは景気は悪くなりましたか?」と聞いたらどう答えるのかなとも思ったりする。現状維持もまた、数年前までの悪化の一途をたどる状況と比べると、はるかに改善したと評価しても良いと思うのだけどね。


この指摘も同意。具体的な確率論としての数字が掌握できるわけじゃないからね。雇用状況に関しても、それこそこれまではサイコロ1つを振って1が出たら解雇かもというレベルだったのが、2個振って2以下だったら解雇という感じにまで安定性が高まっていたとしても、雇われる側からは分かりにくいからねえ。

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このページは、不破雷蔵が2017年7月20日 07:31に書いた記事です。

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