テレビとネットの信頼度の違いと、調査方法と

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先日発表された、博報堂の定点観測的なメディア絡みの調査の結果。テレビが最高、ネットはバッド的な話でちょいと話題に登っているのだけど、気になる指摘があったので。

元資料をたどると、調査対象母集団の抽出方法は首都圏40キロ圏内ということのみ。調査手法は訪問留置自記入法。調査年で多少のずれはあるけど、大体小学校高学年から中学生まで、各学年と男女で均等割り当て。調査票が未公開なのでアレだけど、この辺りはまぁ妥当か。

ただ指摘されている通り、あくまでも全体的な、もやっとした対象からの回答であることに加え、設問があまりよろしいとは言い難い......


ソースの説明を読むと、どうも設問のところで「テレビの話は本当のことが多い」「インターネットの話は本当のことが多い」という聞き方をしているのだよね。テレビや新聞、雑誌、ラジオはほぼその情報配信業界がツールとしてのメディアそのものを意味するのだけど(「テレビの話」と聞かれた時に、テレビ受信機そのものではなく、テレビ番組を指しているってのは誰もが分かる話)、ネットは単なるツールとしてのメディアのみなのだよね。地下水をくみ上げた美味しい水を通している水道と、水道インフラ全体を比較するようなもの。例えば新聞ならば、大手新聞社の発行する新聞を意味しているのだけど、選択肢に「インターネット」が挙がるのならば、新聞は機関紙や学級新聞などまで全部含めなければならない。ネットは単なる、情報を運ぶツールでしかない。

別の調査ではこの辺りをある程度理解しており、「ネット経由で流れる情報として、テレビや新聞の話、有名どころの情報、一般の個人の話、ソーシャルメディア上の話」という感じに仕切り分けしていたりもする。

あと、調査票の話に戻るけど、実はこれも非常に重要。調査票の様式がほんの少し変わるだけで、数字が有意に変化してしまうこともある。数年前のGoogle+の利用者が無茶苦茶多かったという回答は、実のところ検索エンジンのGoogleと勘違いしていた人が結構いたからという話とか、今朝がた挙げた【TCAと総務省では100%を超える...複数データを基にした携帯電話の普及率推移(最新)】でも触れているけど、消費動向調査で直近分の携帯電話・スマートフォンの普及率で有意な下落が見られたのは、調査票の様式が変わったことによる可能性が出てきたとか、ね。

ましてや、テレビや新聞などが時折挙げる調査結果など、この辺りはどこまでしっかりと精査されているかというと......まぁ、大よそ想像の通りなのだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2017年7月21日 06:56に書いた記事です。

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