「認知症でも運転できる」に違和感

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似たような話は以前したことがあるし、先日も警察庁の有識者会議での話として、自動運転の技術と組み合わせた特別免許証の仕組みを作り、認知症の人はその免許証でないと運転できないようにすべきでは的な記事を書いた記憶がある。

今件も賛否両論が書かれているけど、総論としては「認知症だからと運転できないようにするのはオカシイ。運転できる」「運転免許をとりあげたらかわいそう、自動車が必要不可欠なのだから」的な話。

でもそれってやっぱりおかしいよね、と。認知症ってのはゼロか1、黒白はっきりしているような状況もあるけど、グレーなものもある。まったく問題ない時もあれば、症状がある程度出ている時もあるし、フルに出ていることもある。要は喘息の発作みたいなもの......というケースもあるということ。


「しっかりと運転できる時もある」という表現が正しいとの指摘はまさにその通り。認知症も結局のところ、老化の一形態としての病気......というか正常な状態からの病状による変化に他ならない。視力が悪くなったら眼鏡等で補正しないと運転を続けられない。腕を骨折して包帯で固定していたら運転はできない。その類と同じ。

リスクが発生しうる状況が確認できる心身であることが明確化したら、それに応じた対応が必要で、そうでなければ「健全な状態だからこそ許諾されていた権利」ってのは返納しなきゃならない......ってあれだ、報道界隈における「社会的利益のために公明正大な情報を公知するという大義を果たさなければ、さまざまな特権は返納すべきだ」と何ら変わりはない。

「自動車運転ができなくなったら、生活ができない」との意見もある。認知症以外でそのような状況になった時には、どのような発想、主張をするのかな? 引っ越そうとか必要なサービスを受給するようにしようとか、カバーする技術で対応する(上記の自動運転云々も、そのための法整備の準備だね)そういうところじゃないのかな? 認知症だから特別扱いってのは、それこそおかしな話だと思うのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年7月22日 06:57に書いた記事です。

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