教育国債と「次世代へのツケ」と

| コメント(0)
安倍晋三首相は23日、高等教育無償化の財源について教育目的の国債である教育国債を排除しない考えを示した。「望めば専修学校や大学に行ける仕組みをつくれば、将来収入を得て税収が上がり、新たな富を創る」と指摘。「今借金しても将来世代がツケを払うことにはならないとの議論もある」と強調した。日本青年会議所(JC)が横浜市で開いた会合で語った。

教育国債周りを「将来への、次世代へのツケ」と評して否定する向きがある。よく考えてみればおかしな話で、ならば建設国債はどうなるのかな、という感も。「こども保険」なるものを賛美する社会保障関係者も結構見受けられるけど、あれは税金を「保険」と命名している時点でアウトだし、単なる増税でしかないのを色々と社会的正当性でカバーする辺りは、例の復興税と同じ香りしかしてこない。

「次世代へのツケ」という言葉そのものにも正直首を傾げる。ツケと投資をごっちゃにしている。ツケというのはその場で消費して将来に残らないモノの支払いを後々に繰り延べすることであり、投資は将来においてリターンが生じるものへの先行支払いのようなもの。貯蓄やタンス預金と異なり、確実性がどれだけあるかないかの確率論的な問題はあるけど。

「ツケ」という言葉そのものでごまかされている感もあるんだよね、ホント。「次世代へのツケ」なるキーワードでこの類の話を否定する界隈には「ならばうなぎを食べないでよ」とツッコミを入れてみたくもなる。恐らくは属性的に多分に被っているから。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2017年7月24日 07:02に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「仙台市市長選報道と印象操作と」です。

次の記事は「商品に問題があったら大騒ぎになるしそれが意図的なものなら会社存続すら危うくなる。今の報道業界はその例外なのだろうか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30