「ネットは極論ばかり、 テレビは放送法で中立が義務付けられるからネットのようにはいかない、 でも面白ければそれでいいのか」なる話が。この短文でツッコミどころが半ダースほどあるのは、むしろ奇跡的な状況。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2017年7月28日
某所でテレビ関係者(新聞関係者がテレビで、の方が適切かな)いわくのお話が出回ってきて、それに対して首を傾げたというもの。まぁ、その件に限らず、テレビや新聞の関係者は往々にして、この類のお話をした上で、だから「テレビや新聞は大切だし、中身を丸ごと信じよう」的なお話を語る。
引用した部分だけでも複数個所でツッコミを入れることができるのだけど、とりあえず一つだけ。「ネットは極論ばかり」に関してだけど、インターネットってのは結局のところ、インフラに過ぎないんだよね。新聞やテレビの内容も企業自らがアップしているから、それらも極論ばかりってことになるけど、それはどう説明するのだろう。
今件は例えるなら、カレー屋さんで「この店のカレーは激辛ばかりだ」と論評しているようなもの。実のところ辛さは色々と選べるのにも関わらず。インターネットってのも同じようなもので、ネット上にある情報は多種多様で、課金制などの仕組みを有しているものもあるけど、原則は誰もが自在に取得できる。そのような状況下で、「極論ばかり」と主張しているのは、その語り手が極論だと思うものばかりを目にしている事のあかしなのだよね。
ちょっと例えが雑だけど、「この新聞社の広告はR18系の卑猥なものばかりだ」と騒いでいたら、その広告システムが利用者のブラウザの利用傾向を元に内容を決めて判断していただけだった、その人がR18系のサイトばかりを見ていた結果が出たまでのお話ってのと、さほど変わりはない。
そして新聞やテレビが多種多様な情報のうち、洗練された濃い、しかも真っ当な内容ばかりであるのなら、それとの比較として「インターネットは(全体的な比率的には)極論ばかり(が目立つ)」と表現しても良いのだろうけど......そうとはいえないのが現状。あるいは「ネットは極論ばかり」と語る人たちは、自分がそういうものしか見ていないってのではなく、新聞やテレビが誠実で事実で正義であると確信、妄信しているのかもしれない。
だからこそ、「フェイクニュース撲滅すべき、ファクトチェックをしていこう」と語る新聞やテレビなどの報道界隈が、フェイクニュースでファクトを蹂躙していくという、摩訶不思議な状況も生まれるのだろうな。
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