特にデジタルネイティブ世代以下では、仮想現実で上の世代が体験した時代背景を下の世代が追体験できるようになって世界中で少なくとも認識上のジェネレーションギャップは消えていくだろうと思っている。
— Hermes Trism (@hermes_trism) 2017年8月2日
2歳の甥っ子氏から電話がかかってきてそんな事を考えていた。
先日の【「テレビって無料で観れるの?」なる事案が米国で生じているとの話。ネタなのかマジなのか】が良い例なのだけど、技術進歩や環境変化が加速化しているおかげで、社会の仕組みの世代交代がスピーディーになって、すぐに代替わりが生じてしまい、複数世代前の「常識」が伝承されず「失われた古代技術」的な状態になるケースが起きている。テレビの受信の話は笑い話的なもので済むけれど、それじゃ済まされない状況も生じるだろう。また、【ゲームの歴史の断絶時代、とか】という話も方向性としては近しいものがある。
で、そのジェネレーションギャップを埋める方策として、仮想現実(VR)を用いて疑似体験させてはいう話。要は実物がほとんど使われていない、存在しないものでも、それっぽい体験ができる場を作り、疑似体験させれば、そのようなものがあったことを「体験」でき、経験として身につけることができるから、ギャップは無くなるだろうという話。一理はある。
他方、その方法論は技術的には可能であっても、現実的か否かを考えると、あまり見込みはないような気がする。色々と理由は挙げられるけど、
・データ化の必要性・コスト問題...今の電子書籍における、新刊以外の電子書籍化と同じ問題。コストパフォーマンが合わない
・そもそも知らなければ調べる事も無い...過去に何があったのか、知らなければ調べるという行為そのものをしない。「テレビって無料で観れるの?」の話も多分にそれが原因だった
・学習の必要性があるか否か...歴史問題と同じ。昔の面白技術を疑似体験するという遊戯的なモノであればよいが、過去の社会技術体系をわざわざ学ぶ必要性を見出すのが難しい。例えば今スマホを使っている人に、ポケベルを使うよう指図する必要性はあるのか。
といった感じ。科学技術館みたいなところで、色々な社会文化の疑似体験ができるとの観点では、まさにVRはうってつけなんだろうけどね。
コメントする