「ネットの「炎上」 関与は3%」との話

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インターネット上で批判的な意見が殺到する、いわゆる「炎上」について、自分もそうした書き込みや拡散をすると思う人は全体の3%にとどまることが文化庁の調査でわかりました。専門家は、「炎上が起こるとネットのユーザー全体が批判しているように見えるが、実際には少数だ。炎上が全員の意見だと、うのみにしないことが大切だ」と話しています。

ネットの炎上状況に関して、よく言われているお話。世界中の誰もが皆、該当者に石つぶてを投げつけているように見えるけど、実際にはごく少数の比率に過ぎないというもの。

ただこれってちょっとしたトリックがある。3%というと少数比率には違いないのだけど、母数を考えると膨大な数になるのだよね。100人の3%は3人だけど、100万人なら3万人にもなる。インターネットの利用者数とか、利用ハードルの低いサービスで炎上が発生するケースが多々あるってことを考えると、3%という値は炎上被害者にとって「世界の皆が攻撃しているわけでは無い」ということを認識させるのには十分ではあるのだけど、同時に「数十人もの人が自分に罵声を浴びせている」となると、それだけで思いっきりめげてしまうし大炎上したとの認識になる。

ネット上の情報のやり取りはハードルが低くて多数が行き来しているので、普段はざっと見とかウィンドウショッピングレベルでの認識をしている。街中を歩くときに周囲の人の会話をすべて耳で聴き分けて理解し内容を判断しているわけでは無いよね? なんか話してるなぁという意識はぼんやりとあったとしても。

でもそれが、ほんのわずかの割合でも自分に直接向けられているとなれば、大いに焦り、怖さを覚えるようになる。街中の人が、その数分の一でも一斉に自分のことを見つめたら、どんな気持ちになるだろう。「炎上」ってのはつまり、そういうこと。

ソーシャルメディアの場合は情報の共有、言い換えれば他人の情報公知を自分の発言のように成す仕組みであるリツイートとか「いいね」が容易になっている。いつの間にか炎上騒ぎに加担していることになってる、参加へのハードルが低くなってるってのも、ネットでの、特にソーシャルメディアでの炎上騒動が生じやすい一因なのだろう。


で、今件の元ネタは先日文化庁から発表された「国語に関する世論調査」。なんだけど、NHKのこの記事では直接その説明は一切ない。民間企業の調査ならともかく、公的機関のでも、こんな感じで一次ソースをぼやかして書くのはどうなんだろうか、良くないと思うのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年9月22日 07:43に書いた記事です。

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