フリーミアムの行き着く先

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さまざまな技術発展、ツールの浸透と安価化に伴い、色々な物品やサービスが廉価、無料化していく。大雑把な表現だとデフレ化とした方が分かりやすいかもしれない。そのような環境下で価値の定義や存在は大きく変わっていく云々ってのがフリーミアムの考え方のようなんだけど、実のところは元々有料だったものが廉価、無料化した場合、その差額は目の前に見えない人が代わりに払っているだけに過ぎない。

情報の複製に伴い価値が希薄化することはあっても、ゼロになるわけじゃないからね。空から降ってきたり、神様が与えてくれるわけじゃないのだから。民放だって電波受信による映像の鑑賞は無料だけど、テレビCMの提供者が間接的に料金を支払っているまでのお話。その分CM提供者側は、告知してもらえるという利益を享受しているのだけど。ウェブによる情報提供にしても似たようなもの。

で、前置きが長くなったけど、今件は予約スタイルの受注商品を展開したら、商品が完成した後でキャンセルが相次いでお店側が頭を抱えてしまったというお話から。趣味モノだから予約する側はお気軽に考えていたのだろうけど、商品を作る側はたまったものでは無い。指摘されている通り、無料で予約できるとかいう考え方は、多分にデフレの産物によるものじゃないかなという気がする。個人的には全額前払いでもいいんじゃないかと思う。まぁ通常は半額前払いとかなんだけどね。

新商品開発のクラウドファンディングはこの逆かな。お金の先渡しで、望みの商品が開発される、提供されるという保証は無い。

自分は善意でサービスを提供していても、受ける側が同じ善意を持って行動するとは限らない。お金がかかっている時は特にそうだ。むしろ相手は悪意をもちうるとの前提で勘案した方がよい。担保も罰則も無く無制限にお金の貸し出しをしたら、皆が皆出来る限りのお金を借りて、一円も返さなくなるだろう。

指摘されている通り、予約が無料で当たり前的な風潮、企業側はそれに従うしかない状況ってのは、デフレの産物なのだろう。先行予約で確実に確保できるのもまた権利であり、その権利にはしっかりとした対価を支払うべきであるのは当然の話。


ネット経由でできるものはなんでも無料。そんな雰囲気があるからこそ、予約も無料で当たり前的な雰囲気があるのだと思う。でも指摘の通り、有形物でも無形物でもモノを作るのにはリソースが必要。その点を忘れて、自分の権利をどこまでも拡大解釈して要求したのでは、全体としての損失が生じてしまう。まさにデフレ感覚というものだな。


ちょうどよいタイミングで出てきたネタ話。この右側の無慈悲な無課金者のケースも、フリーミアム症候群やらデフレ症的な症状ではないのかなと思ったりする次第。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2017年9月16日 08:05に書いた記事です。

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