最近の視聴者は辛い展開に耐えられないっていうけど、まどか☆マギカはヒットしたし、たつき監督を信じろという言葉で辛い展開乗り越えたし、あれ大嘘だと思うんだよな
— (Ǝ)ɐsıɥıɥso⅄ ouɐɓnS (@koshian) 2017年9月26日
以前触れたような記憶もあるのだけど、最近のラノベやコミック界隈の業界話としてよく聞くのが「読者層はツライ展開が嫌いで、そのようなストーリーは望まれないから作品としてウケにくいので、企画そのものも通りがたい」という話がある。そういや最近ちらほらと目にしているラノベやなろう系の小説を原作にしたウェブコミックも少なからずがそんな感じで、でもだからこそ「ちょっと面白そう」「原作目を通してみるか」「ナニコレ無双で話に起伏がない、つまらない」「コミックも先が見えてるからブックマーク取り消し」ってケースが増えていたりする。
ツライ展開がイヤだ、自分がそれを体験しているかのようになるからという主張は理解できる。でも無敵状態のシューティングゲームやロールプレイングゲームがすぐに飽きてしまうのと同様で、お話が一直線のものに楽しさを見出すのは難しい。
ではなぜツライ展開が嫌われているのか。無論、これが唯一の回答では無いのだろうけど、ああ確かにこれは、という指摘があった。ツライ展開そのものが嫌われているのではなく、そのツラサが報われない、裏切られる続き、結末が嫌われている。それが繰り返されるので、経験として「また報われないのだろう」と判断してしまう。
最近の視聴者は辛い展開に耐えられないというより『他にも楽しいものがたくさんあるなかで面白くなるかどうかわからん展開は展開からはわからなくても面白くなる事に関して製作者を信頼できている場合でもないとわざわざ耐える必要性がない』だと思う。
— うなぎ(steel_eel) (@dancing_eel) 2017年9月26日
まどかマギカは『辛い展開ではあるが辛いこと自体が面白いし、その先も面白くなりそう』でウケてた感じがする。
— うなぎ(steel_eel) (@dancing_eel) 2017年9月26日
ぶっちゃけると創作物は作り手の自由なのだから、どのような話でも結末でも構わない。作り手がバッドエンドを望むのなら、すべてが救われない、報われない内容のものを描きたいのなら、それでもかまわない。でもそれは共感を得られるとか商用的に成功するか否かとはまた別の話。当方もウェブ、紙媒体を問わずたくさんの作品に目を通してきたけど、読み終えた後に「なんでこんな結末にしちゃったんだろう」「それをする必要はあったのだろうか」と、もやったとした気分になるものは少なからずある。
そういう意味での、中身の展開の仕方の上での裏切られた経験が多々あるからこそ、ツライ展開そのものが嫌われているのかもしれない......というのが一つ。
もう一つはむしろこちらが本筋ではないかなという個人的感想ではあるのだけど。読み通す・読まないレベルの問題で、内容が商用的なレベルに達していないとか、言葉通りお話にならないというものに触れる機会が増えてきたとか。これは物語や漫画に限らず、というかゲームなどの方が多いのかな。コンテンツ全体に対する不信感の高まりが、「この先もずっとツラいまま終わる」から「なんでこんなツラいことばかりのために高いお金を払わねば」となっていく。
ゲームや漫画などのコンテンツは押しなべて無料であるべきだ、お金を払うだなんてとんでもないというフリーミアム的な考えと、コンテンツ全体への品質面からの不信感は、案外同じ軸に連なっているのかもね。
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