「実質賃金が上がってないよ、バーカ」という話だけど

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実質賃金と平均所得・所得中央値と失業率と非正規雇用比率とエンゲル係数。経済動向を勘案する指標としてここ数年多く取り上げられる形となっているけど、解釈がぐだぐだだったりバッシングのネタ的に都合の良い読み方をされるケースが多々あって、こんなのでいいのかなあ、という感じはする。

それに、例えば悪い値が出た時に、それが一時的なものなのか、さらなる悪化の兆しなのかを見極め、良い方向に転じさせるのにはどうすればよいのかを考えるべきなのに、少しでも悪い値が出たら全部ちゃぶ台返し的にひっくり返して誰それは辞めろとかいうのは、モンクレなお客とどこが違うのだろうか、と。

で、実質賃金のお話。もやもやしていたのもあったのだけど、昨日ざっくりとまとめた......というか軽く済ますつもりが数時間かかってしまったまとめ。


要は現状では労働市場構造の変革期にあってその影響が結構出ている、と。あとは平均値の算出によるワナ。構成要素の個々は改善されているケースが多々あるのだけど、全体をまとめて平均化すると、以前より悪くなってしまう、と。

例の「平均賃金を上げたきゃ非正規と低給取りを全員解雇して、高給取りだけ残せばよい」ってやつだな。ばかばかしいけど、これで本当に実質賃金の平均値は底上げされる。でもそれは施策としては間違っているので、より多くの人を就労させる、若年層に多くの就労機会を与える、少しずつ労働市場の環境をよい方向にもっていく、と色々と手をつけて一歩一歩よい方向に歩ませる必要がある。

その行程で統計的にネガティブな数字が出ることもあるわけなんだけど、それは関連する他の指標を見れば分かる...のだけど、あえて見ていないのか、見てもみなかったふりをしているのが、「実質賃金ガー」と騒いでいる人達なのだろうな。

ちなみに今回のお話は、後から考えれば中小企業白書のグラフを延長して現在の数字を反映させればそれで済むのでは? と気が付いた。これは機会があったら試してみたいところではある。

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このページは、不破雷蔵が2017年10月16日 06:34に書いた記事です。

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