社会に貢献する仕事は尊いからと、携わる人の人権を無視してよいわけは無い

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使われている言葉が乱雑なので該当の言及そのものは挙げないけど。ここ数日の間にツイッター上で介護士によるデモの話が色々と出ている。その挙動を見ていると、どうも反対する方面の論調としては「社会に貢献しているのだから文句をいうな」「ストをしたら対象者が迷惑を被る」「介護士の環境を改善したらサービスを受けている人が割りを食う」という、ちょっと読み返すと首をかしげたくなるようなお話ばかり。

介護士をロボットか、空から降ってきた魔法使いか何かと勘違いをしているのではないか。人の善意を強要して働かせるのは、単なる奴隷使役とどこが違うのだろうか。そしてこの傾向は介護士に限らず、医療関係、さらには社会に貢献する立場にいるインフラ系、社会サービス系全般の業界にいえること。

そりゃタダで、出来るだけ低価格で最高のサービスが受けられるのなら、それにこしたことはない。けど現実はそのサービスを提供する側も人間。ご飯を食べていかねばいけないし、人らしい生活を求めるのも当然の権利。それを蔑ろにするのは、ブラック企業の肯定とどこが違うのか。


色々同調の声とか実態としての指摘とかもある。自らの都合のよい状態を求めるために、社会正義を振り回すのは勘弁こうむりたいというのは、なるほど感。どこかで見たような構図だ。また、保育士周りの話は以前紹介した記憶もあるけど、ちょいと注目。結局、後押しはやればできないことはない、と。

仕組み的に高給取りに出来ない云々という話もあるけど、これについては2つほど。「例えば給食のおばさんの話のように、簡単『そうに見える』職業にバッシングを続けて追い出したり薄給にさせたのはどこの誰だ」「仕組み的に現在よりも高給、仕事の内容に合っていると思われる対価へ制度を変えようとすると、サービスを利用する側が『負担が増える』とか、『誰にでもできる仕事だからそんな高額はとんでもない』と文句を言いださないと誰が言える?」。

経済の仕組みにおける需給関係がちゃんと働けば、今件ならば介護士にも高い支払いがなされるはず。それが出来ないとなれば、どこか仕組みがおかしい。多分に「社会貢献だから」「支払いを高くすると利用者の負担が増えるから」という大義名分辺りが邪魔をしている気がする。

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このページは、不破雷蔵が2017年10月17日 07:26に書いた記事です。

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