昔は読むという行為に飢えてて、教科書はさっさと読んじゃうわ、本は借りまくるわ、パンフレットは喜んでもらって読むわ、ティッシュの箱の裏の、シルクのような肌触り!みたいなどうでもいい文まで読まないと気が済まなかったけど、今はこうしてネットがあるから、点滴が入ってるみたいに飢えない。
— Yutaro@ADHDなんとか月間 (@yutaro_today) 2017年10月15日
インターネットの普及、さらにはスマートフォンの浸透に連れて、本が売れなくなった、本離れが進んだ、文字離れが進んだとの意見は定期的に持ち上がるし、該当業界の業績が下がる毎にそれらのせいだから仕方が無い云々との説明を耳にする。子供関連の業界が少子化云々と説明するのと同じで、大きな因果関係は見当たらないし、仮にそれなりの影響があるにしても数年単位での話ではないのだから、対応して無きゃ業界側の怠慢でしかない。むしろ同時期に起きた別の要因がメインだと考えなきゃならないのだけど。
で、文字離れとか読む行動離れに関しては、指摘の通り、むしろ文字は、情報はより巷にあふれかえり、手に届きやすくなった。内容の品質や信ぴょう性はともかく、文字情報量はけた違いに増えている。「常に点滴が入っているみたい」ってのはなんだか色々と複雑な気分になるけど、まさにそんな感じ。
ネットやスマートフォンの普及で本離れが進んだというのがまるで別の世界の出来事のように思える。
— 志賀の花園 (@shiganohanazono) 2017年10月14日
ネットのおかげで全国各地の古書店から本を買えるようになり、スマホのおかげで出先でも書店の在庫や図書館の蔵書検索が容易にできるようになり、本に費やす時間とお金はますます増える一方。
加えてこの話も色々と考えさせられる。書店数の減少は店舗単位での売り上げ減退とか、それがネット通販に客を奪われたって話があるけど、ネット通販に客を奪われているのが事実だとしても、それ以前にコンビニに客を奪われたとか言ってたよね。また、店主が高齢化して廃業する事例も多々あるし、出版物の需要が大きな変化を見せているので、出版物の流通ルートが書店からネットにシフトをして、その影響で書店がコケて、それで本離れが進んでいくとか、なんだか無茶ぶりな気がする。
指摘の通りネットによって書籍の情報検索や取得が容易になったのも事実。ネットで買えなければ本屋で買う、だからネットで買うなって主張もあるのだろうけど、ネットで買えなければ本屋で買わずに別の本を買うまでの話。元々取得のためのモチベーションがさほど高く無い人にも手を届かせるツールがネットなのだよね。
出版物の総販売額は確かに減退している。けど、電子書籍とかその周辺まで含めれば、減退ぶりは随分と穏やかなものになる。さらにいえば「本離れ」ってのが「有料文字掲載物離れ」なのか単なる「文字掲載物離れ」なのか、あいまいになっているのも首を傾げるところ。
人の知識欲、閲読欲を充足できる対象が増えたので、有料で紙媒体の本を買うって選択肢の相対的な立ち位置が落ち込んだだけの話じゃないかな。紙媒体の本の人気が落ちたとしても、それは人がおバカさんになっていくことは意味しないのだな。
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