「クライアントがめちゃくちゃな〆切設定してくるよう!今日中に再提出とか無理だよう!」
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「そんな暴君顧客にお悩みのあなた!特急料金を設定しておこう!!」
「とっきゅう...?」
「たとえば〆切までの1週間に満たない1日につき●千円くださいと事前に決めておくんだ!」
「効果は?」
「てきめん」
「『〆切がキツいと対応できませんからね』とあらかじめ言っておいても、『そこを何とか!』とねじ込まれてしまう」
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「あるある」
「不思議なもので『〆切がキツくても対応しますがかなり高くつきますよ?』と言っておくほうが、炎上への抑止力があるんだ!!」
「へー」
「草の根行動経済学なのだ」
「ポイントは、クライアントが『払ったら大損だなあ......』と感じるくらい高めの特急料金にしておくこと」
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「安いとどうなるの?」
「カネさえ払えばいくらでもキツいスケジュールを振っていいと判断される」
「うわぁ...」
「行動経済学でいうモラルハザードってやつである」
「高額の特急料金をクライアントが認めてくれるかな...?」
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「大丈夫だ!スケジュール設定の時点ではみんな上手くいくと信じてる。特急料金なんて発生しないと思い込んでいる」
「ホントに?」
「むしろ、そこで言い淀む顧客なら要注意。スケジュール管理が甘くて、炎上を頻発させている可能性が高い」
平気で仕様を変えたりただ働きを強要するような話も多々見受けられる、創作業界に多い自由業や自営業、要はフリーの人のお仕事周りのお話。まぁ、仕事の受注に絡む駆け引きはフリーに限らず、企業間でも似たようなものだけど。
このお話は駆け引きという観点で非常に巧みだったりする。発注側が無茶な要請をすればするほど、コストが割高になるような仕組みとなっている。見方を変えれば、スケジュールに余裕があるような発注をすることで、インセンティブを得られるわけだ(得をするんじゃなくて損をしないってことだけどね)。
フリーランスで荒稼ぎしている先輩が「やりたくない仕事は断るな、次の仕事が来なくなる。高い金額を提示して向こうに断らさせろ」って言ってた。
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「でも、高い金額を提示したのにクライアントが断ってくれなかったらどうするの?」
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「やるんだよ」
「やりたくない仕事なのに?」
「もちろんです、プロですから」
タイトなスケジュール云々ではなく、元々の仕事の内容とか相手の評判とか気質的に避けたい場合、思いっきり吹っ掛けるというのも一つの手。「レベルE」でも暗殺業な正体の先生も似たようなこといってたよね、子供が対象だと依頼主が払い切れないような額を請求するとか。これも一つの駆け引き。それでも支払うという場合、その駆け引きに負けたことになるから、仕事は受ける。プロだからね。「やりたくない仕事は断るな、相手に断らせろ」というのは至言である。
フリーランスの先輩が言っていた「やりたくない仕事は断るな、高い金額を提示して向こうに断らせろ」って話。「高くつくと思われて余計に仕事が来なくなるんじゃないの?」という心配は、業種によっては正しい。〝誰がやっても結果が同じ〟というタイプの仕事なら、その心配は杞憂では済まないと思う。
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
一方で、属人性が高くて〝代わりの人を見つけるのが難しい〟タイプの仕事なら、その心配は完全な杞憂だ。たとえば専門性の高いエンジニアとか、イラストレーター、ミュージシャンなどの芸術系の仕事が当てはまる。理屈のうえでは、この手の仕事はクライアント側の支払可能金額の上限まで報酬が上がる。
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
(※実際には人間は非合理的なので、理屈通りの金額まで報酬が上昇することはないのだけど)
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
「この人に頼むと高くつく...って思われたら仕事が来なくなりそう」と心配するのは、後ろ向きな考え方だ。「安上がりだからこの人に頼もう」と考える顧客と「たとえ高くてもこの人に頼みたい」と考える顧客。大切にすべきなのはどちらだろう? あなたが本当に割引きしてあげたくなるのはどちらだろう?
— Rootport (@rootport) 2017年11月22日
で、高額請求をしていると仕事が来なくなるという不安はケースバイケース。仕事の内容が同じだったら、発注する側の立場で考えれば「じゃあ別の人に発注するわ」で終わってしまう。要は100均ショップで買えるようなモノで良いなら別に一点ものにする必要は無いってこと。この人にしか頼めない、この人のでないと要望通りにならないという仕事を紡ぐからこそ、駆け引きも有効なものとなる。
市場経済のシンプルな例を思い返せば容易に理解できる。お店にお饅頭が1つかなくて2人が取り合うことになったら、高い金を出した方にお店は売ることになる。二つに割って云々というネタ話は無しで。ただ、同じようなお饅頭を近所の他の店でも売っていたら、高値でのセリになれば別の店に買いに行ってしまうよ、というだけ。でもその1つしかないお饅頭が滋養強壮の効果があり寿命も延びるとかいった、他のお饅頭には無い効果があれば、いくらでも高値がつくよ、というもの。まぁ、ブラックジャックに執刀を頼むようなものだ。
そうそう。特に嫌な奴だったり「やりたくない度」が高い場合は条件を細かにしてオプション設定をガンガンふかして提出する。それもメールとか残る奴で。すると大概嫌な奴等は同じ臭いのお仲間とつるんでいるから一気に掃除ができる。残った良い仕事先で充実した仕事が平和に出来る。
— おたかさん 311以降国に怒る毎日 (@motialtjin) 2017年11月22日
フリーは頼まれた仕事を断りたければギャラの値段を上げて先方から断らせろ、それでも「どうしても」と頼み込まれたら引き受けろっていうツイートが先日回って来てたけど、そうやって一度引き上げて決まったはずのギャラを再び引き下げ交渉してくる輩というのが世の中にはいるので気をつけろ。
— 森山和道 (@kmoriyama) 2017年11月23日
今件、スットコなクライアントの場合、仕事をやらせておいてから値切り出すって斜め上的やらかしをしてくることがあるので要注意。契約書、大切。https://t.co/J1xoGMzkhQ
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2017年11月23日
今件の話には色々と派生ネタがあって。オプションをモリモリつけて見積もりを出す事で、同じような属性の人たちをまとめ上げることができる。というかそこまで考えなくても、自分の望む条件で選別できると見ればよい。
他方、無茶な事を言ってくる発注側はやり取りをした後に値切りをしてくるという、常識知らずのことをするケースもある。いや、そんなことは無いだろうというツッコミもあるだろうけど、元々無茶な事を平気でするような属性なのだから、そういう斜め上的なことも当たり前のようにしてくるのだな。
フリーの仕事心得は人の数だけあると思う。比較的共通して言えるかなと思うのは「自分のメンタルポイントを上げてくれそうな仕事を受ける」ということを重視せよってことかなと。ギャラが低くてもMP上がるなら受けるべき。逆にギャラが高くてもMP削られそうな仕事は断ったほうがいい。続かないから
— 森山和道 (@kmoriyama) 2017年11月23日
もちろんお金はとても大切な要素ではあるけど、それだけに捕らわれると痛い目にあうってのも間違いない。ただこれを逆手に取り、「ギャラは安いけど君にとっては絶対タメになるから」という言い訳をしてくる発注側もあるので、これはこれで要注意。そういう説明で低価格を提示したところは、ほぼ100%タメにならない。将来役立つ、次は高く、名前が売れる、リンクを張る、色々とパターンはあるけど、そういうことがあるのなら、まずは相応の価格を提示した上で、上乗せ的な、アドバンテージとして呈するべきだ。
まぁ、旧軍の「精神力があればすべてを打破できる」ってのと同じ。精神力云々は相手と同等の環境整備をした上でのお話なのだな、と。
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