売上と利益の違いと、フリーの仕事のそろばん勘定と

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これは社長や企業の「年商」などでもよく誤解されるお話なんだけど、売上と利益ってのはまったくの別物。大きなお金を動かすという観点では、年商や売上が大きければそれなりにすごいことではあるのだけど、それがそのまま自分の懐に収まるわけじゃない。例えば食堂が1日30万円の売上をあげたら、それがそのまますべて利益として自由に使えるわけではないってのが分かれば、すぐに理解できるはずだけど。コストの概念が理解できるか否かの問題かな。

自由業、自営業の人と勤め人の大きな違いは、後者では会社が負担する部分を、前者は自分で全部背負う必要があるってこと。指摘されているような研修費やら社会保障やら退職金やらも全部自分で勘案する必要がある。仕事を人月で計算する時とか、人の雇用を考える時に、「対象者に払う給与と同額、あるいは2倍のコストが会社にかかっている」とはよく聞く話だけど、その会社にかかるコストを自由業や自営業は自ら背負うことになる。

だから会社に投げる仕事と同じ内容のを個人に投げる場合は、最低でも2倍の支払いをしてもらわないと頭を抱えることになる、というのが理屈。


執筆業周りを時間単価で依頼するってのは聞いたことが無いのだけど、そういう非常識なことを投げてくるところもあるんだろうなあと首を縦に振ってしまうのが、世の中のあれこれを見聞きした上での結論。そもそもフリーターの時給換算は相応の労働力・技術しか提供していないがためのコストではあるし、派遣社員の時給はあくまでも社員に支払われる側のお金だからね。派遣会社に企業が支払うコストは、社員の時給換算をすると2倍ぐらいにはなっている。半分は派遣会社の運用コストに回るわけだ。

以前も触れた記憶があるけど、コストを抑えれば抑えるほど、発注側の成果になる。しかも数字としてすぐに確認できる、評価されやすい成果。だからコストを切り詰めたくなる、買い叩きたくなるってのは理解できるけど、それをしてよいか否かってのはまた別の問題なんだよね。

見方を変えて、そういう買い叩きをするようなところと仕事をしたいと思うだろうか。品質の維持はできるだろうか。

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このページは、不破雷蔵が2017年11月29日 07:29に書いた記事です。

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