と、掲載告知のあとですけど
— 犬江しんすけ@3日目あ-12a (@inushins) 2017年11月30日
かなしいお知らせをします。
こんなことになりました。 pic.twitter.com/tbdu94m7eu
「少女騎士団×ナイトテイル」打ち切りかよ...久々に楽しみに購入してたのに。ただ、この件も含めて、最近思うのは『出版社って売る努力まで著者に丸投げしてるってのは"ピンハネ商売"に成り下がったんだなぁ』ということ。広告足りず著者が売る努力するなら、今の形態の出版社なんて要らないじゃん_
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2017年12月2日
連載開始前の第ゼロ話的な話をウェブだったかツイッター上で見て、どうも不思議な設定の話ではあるけど、これは描き手が描きたいなあと思っていた類の作品に違いなく、でも、だからこそ、売り方が難しいかもなあ、読み手を選ぶ可能性があるから特に......と思っていたら、こんな話が。
単に作品における販売能力が欠けていただけという考え方も無きにしもあらずだけど、そして好意的な解釈をすれば「よりセールスが望める作品を早く作ってほしいから、育てるのが難しそうな、現状では上手く育っていない作品へのリソース投入はストップしてほしい」という合理的な解釈による決断だったのかもしれないけど。なんかどうも色々ともやもやする。
ピンハネ商売という言い回しが適切か否かは別として。成すべきことの領域と、成していることの実情との格差がどんどん大きくなっている気が。本が売れない、利益が足りない、だから現場従業員のワークを減らして、作家に投げる。悪い意味での、日本的なリストラと何ら変わりは無く。
最近感じるのは出版社の広報力のなさがヤバイってこと。作家が自分の作品を宣伝するのは義務みたいなものだと思うけど、印税数パーセントで広報まで作家に頼るってどうよ...そりゃあ自前で広報力のある人は同人でやっていくよね。
— よー清水クリスタ技法書予約開始 (@you629) 2017年12月2日
最近は「SNSで話題!」って銘打って出してるのが多いですが,あれって話題になってから出版社がおこぼれに預かってるだけで,「自分達(出版社)は無能!」って宣伝してる様ですよねぇ...
— いえなが@通勤電車内モデラー (@ienaga045) 2017年12月2日
宣伝を本当に企業には求めたい。作家のSNSが最大のメディアだったりしたら目も当てられない
— H3Y(塀) (@tonarinohey) 2017年11月30日
出版に必要な資本が大幅に低下してきているので、そろそろ以前言ってたみたいに「著者もリスクを負う代わりに、リターンが大きい形態の出版」が成立可能な環境になってきていると思うんだな...半商業出版というか、半自費出版というか。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2017年12月2日
一回ごとに万単位の、取得ハードルが低い出版物を全国に向けて配本しているのにも関わらず、広報力が無いというのは、やはり色々と問題がある気がする。企業体として、その力を求められているのに、それをリストラのために作者に投げているとは、ねえ(この辺の話を考えると、コンビニから雑誌を減らしていくってのは、広報力の減退につながっていくからヤバいのかもなあというのもあるし、だからこそセブン-イレブンは逆に広報誌としてのヒーローズを展開し続けているのだろうなあという感もある)。
時代は変わり、環境も変化し、情報の質も変わってきている。雑誌、特に漫画の世界は大きな変化の中にある。今日先行して挙げたお話【漫画の新しい起用スタイル】もその一様式。「著者もリスクを負う代わりに、リターンが大きい形態の出版」とあるけど、キンドル出版が好例だよね。
「作家を育てるって何よ」という意見もあるけど、芽が出そうな作品や作家の、熟成期間を良い環境の中でホールドして熟成させるって意味ではないかなあ、と。昨今はリソースが無いがためにそういう役割を放り投げ(投資みたいなものだからねえ)、促成栽培的な、中途採用・即戦力的なものに手をつけ、「すぐに儲けられるものでなれば全部だめ」という感はある。
そう、デフレ時代の人材採用の手法そのもの。新人雇用して育てるのなんて面倒くさいし金がかかるし上手く行くか分からない。だったら新人がやるようなものはすぐに首を切れる非正規でいい、役立つ人材は中途採用、自分達は育てるのはやーめた、という感じ。
出版社の育成能力の低下を象徴しているのはネットデビュー系の作品が増えたことでしょう。新人にとってはチャンスが増えた様に見えますが、地道に実力伸ばしていくタイプには厳しくなった。多分この辺のツケは10年後ぐらいから出てくるんじゃないかな。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
ツケというのは、編集者の新人育成ノウハウの受け継ぎが絶たれてますますネットで偶発的に当たったものを本にするしか出来なくなることですね。もうそうなっちゃうと編集者の存在意義に関わります。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
もうすでに危機感を感じているいくつかの編集部は新人育成に力を入れる試みをしています。そういうところは、出版業界の再編という事態になった時強いんじゃないかな。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
編集者の存在意義の一つが人を育てることです。ここまで「自分で本が作れる環境」が整ってしまった以上そこにしかもう生き残りの道はないと思います。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
逆にそういうことが出来る人はこれから重宝される存在になると思います。
フリーでそういう能力を持った編集者が、自分で本を作ってしまう人と組むメリットが、商業誌で漫画を描くメリットを上回るようになった時、漫画の世界は大きく変わって行くんじゃないかと思っています。それほど出版業界は作家を支えきれなくなっている。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
人を育てることに投資をしないところが出てきたのは、皮肉にもコミケやコミティアなどの同人誌の世界にアウトソーシングすればいいと気づいた人がいるからですね。昔ならそれでもそこから育てる人がいたのですが、今は使い捨て上等です。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
これってカタギの会社でも全く同じことして今大変なことになっているのですが、漫画の世界はコミケやコミティアに代表される才能の受け皿があったことでまだかろうじて人材の供給が保たれています。でも、そんなに長く続くもんじゃない。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
何が面白いのか、という判断すら投げ出しつつあるようなところもありますね。
— 松田未来 キュラシア2巻12/12発売! (@macchiMC72) 2017年12月2日
で、指摘の通り、即戦力的な人材が見出しやすいネットデビュー系の人が増えているのも「育てるなんて面倒くさい」的な出版社側の思惑が見えてくる。在野の人材がネットに転がっているので、そこから良い人材を拾って来ればよい。出版社側の人があちこちに出回ったり、投稿の受付をしたり、コンテストをする手間なんていらない。下手すりゃマクロを作ってRTやビュー数が一定以上になった画像をチェックして、そこから漫画っぽいのでウケがよいものを自動抽出するようにして、精査すればいいじゃん、なんてことになりかねない。いや、それが効率的だからってのなら、それはそれでいいのだけど。
ただ、そういう手法だと、出版社側の人育てのノウハウが不必要になる。すると当然継承されなくなるので、出版社側で人を育てられなくなる。すると、出版社の存在意義が一つ失われてしまう。広報力が落ち...というよりはむしろ放り投げ、人材の育成もしない。あとはどれだけの意義があるのだろうか。
漫画に限らず情報の価値や性質が大きく変化している中での試行錯誤、四苦八苦の過程としての状況ではあるのだろうけど。目先の小銭に気を取られていると、お尻についた火に気が付かないままでやけどをしてしまうような。昨今の「人手不足危機、倒産」で、今まで人を囲い、育ててこなかった界隈が頭を抱えてきりきり舞い状態になっているのと同じような状態になる気がするのだけどね。
まぁ、それは自業自得ではある。種も蒔かずに水もやらず、育てずに、「どうして実がならないんだ」と怒っても仕方が無いお話ではある。
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