社会が近代化することと統一貨幣の存在と

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以前お金ってのは金兌換性のように元々価値のある物質との兌換ができる保証が無い場合は特に、信用がすべての指標、道具でしかないって話をした。金貨はつぶして金素材にしてもほぼそれに等しい価値を見出しているから容易に取引材料として使われるわけで(要はホールケーキを持ち帰りがしやすく食べやすいショートケーキとして切り分けたような状態)、大きな権力による価値の保証が無ければ、金属貨幣、さらには紙幣でお金の概念が使われるはずも無い。

布も金属も(それを必要とする世界の場合は)、それが量産され安価で手に入る状況で無い限り貴重品に他ならず。金属は石器時代の青銅器やら鉄器の成り立ちを思い返せば理解できるはずだし、布もまた然り。お金にしても戦国時代では戦国大名単位で独自通貨が使われている事もよくあったし、だからこそ覇権を狙う大名は貨幣の統一も視野に入れていた(「戦国自衛隊」で貨幣統一をしようとして反発を受けたって描写もあったな)。江戸時代に入っても大阪では銀、江戸では金が主流で、金と銀との間の両替を行う両替商が商売をしていたなんてのも習ったはず。財政困難に陥った藩が勝手にお札を刷る藩札とかもあったよね。

まぁ、この辺りは突き詰めて考えるとそれだけで一作品できてしまうし、非常に面倒くさいものにもなりかねない。それほど経済ってのは面倒で複雑な仕組みだったりする。だからこそ面白いのだけど。


お金ってのは経済を回す道具だから、それが便利なものとなれば経済そのものも活性化する。自分の地域でのみ使える地域振興券しかお金として流通していなかったらと考えると、頭を抱えるほど不便なのは想像できるはず。

油とかガラスという例も挙がっているけど、これらはそれを必要とする世界であればとの前提がある。単純に油そのものを必要としない生活様式だったり、ガラスの概念そのものが無い世界なら、キーアイテムにはならない。あれば便利だろうけど、無くても困らないって世界なら、それは優先順位が落とされる。あくまでも我々が認識している、普段生活している世界と同じ、似たような場でならばのお話なのだな。

この辺りは例えば、魔法が発達した世界では機械技術の進歩が遅れているとかいう話として結構出てきているんだよね。そのような細かい設定を作るのは面倒ではあるけど、逆にそれが楽しかったりする人も少なくあるまい。

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このページは、不破雷蔵が2017年12月25日 07:05に書いた記事です。

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