エンタメ作品の本筋は「楽しんでもらうこと」

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先のお金の話とは真逆的な内容になるけど、これもまた事実という事で。歴史考察とかならともかく、読み物としての作品の場合は最も重要なことは「受け手に楽しんでもらうこと」。つじつまや整合性、理屈などは二の次三の次。あくまでもつじつまが合う合わないは調味料的なものであり、まずはお肉本体の旨味が大切ということ。考証が無いと駄作、考証があれば良作ってことではない。


今流行りの(すでに流行という言葉自体がアレだけど)ラノベが好例で、考証なり設定なり理屈的な部分を後回しにして、楽しめればよいというエンタメ重視であるのなら、そういうものを求める読者向けの作品であるのなら、それはそれで良い。架空戦記小説が流行った時に出てきた、見開きページに戦闘の効果音がずらりと並ぶだけ的な描写も、それを求めている読者へのアピールというのなら、それはOK。

漫画の手法でも時折話題に上る、顔の真正面からのアップだけで後はセリフ回しのみで話を進めるというのも、それを求めている読者に向けた作風であるとの自覚があれば、そしてそれが受けているのなら問題は無し。

他方、あまりにも先鋭化すると、当然対象者の数は減ってしまう。エンタメ性と、理屈や整合性と両立させるのは受け手のハードルを下げる役割を果たす。その匙加減が難しいのだけどね。エンタメ性を追求しすぎて理屈や仕組み、社会の構造を放り投げすぎると、「そのような世界線のお話なのかな」という割り切りすら吹き飛ばし、読んでいる、目にしている作品の世界から現実に引き戻されてしまう、醒めてしまうのだな。

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このページは、不破雷蔵が2017年12月25日 07:18に書いた記事です。

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