経験と知識を兼ね備えた有益な専門家は背中押し役になるしAIにも代替され難い

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無論すべてがすべてでは無いのだけど、経験や知識を備え、信頼できる状態におかれる存在になると、何らかの判断の際に相談を受けることがある。で、その相談ってのは実のところ当人にはすでに決定事項であるのだけど、はじめの一歩的な踏み出しが出来なくて躊躇している状態だから、背中を押してほしいなあというのが深層部分にあったりする。相談して答えを得て、「うんうん、やっぱりそうだよね、そうしよう」という返事をしたいがためのもの。

これって今件のようなビジネスに限ったものでは無かったりする。日常生活の中での相談事でも、こういうのは結構あったりする。ただし相当相手に信頼がおけていないと、この類の話はできない。

この「背中押し」ってのは実のところ現状ではAIには難しい。データを列挙して確率を出して、過去の成功例を列挙されればそうだよね、と納得できる人はいるだろうけど、そのような提示で納得して「背中が押された」と判断できる人は、その前の時点で決断をしてしまうのが常(手元の情報、条件で脳内にて組み立ててしまう)。あるいはチューリングテストのように、疑似人格的な存在を用意してAIに「きっとうまく行くでしょう」と語らせればいいんだろうか......ってそれはコーエーの「三國志」シリーズとか冷戦時代の「バランスオブパワー」と同じ考えだな。


その辺りを考えると、顧客が人間である以上、そして現状の技術で想像できる範囲内での未来においては、AIが人の仕事を奪うという観点では脅威であることに違いは無いけど、その領域は結構限られてくるのではないかな、と。仕事は楽になるだろうけどその分、こなさねばならない量が増えて結局より苦労が増えるとか、AIが担当できる簡単な仕事の部分しかできないような人の職が奪われるってのはあるのだろうけど......ってこれ、AIに限らず技術全般にいえることだな。

AIのファンドが云々って話はLTCMの話も思い出す次第ではある。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月22日 07:56に書いた記事です。

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