エンゲル係数は当初の意味合いはすでに失われている

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...とタイトルにあるようにすっぱりと書かないと、色々とふんだらしてきそうな人たちが結構いるし、当方の記事の一部分やグラフの勝手解釈でやらかしている筋が結構見受けられたので。そして今件に関してはデマも多分に流れたので、それの打ち消し証拠も併せ。

実のところ今件のネタは元々昨年の2月に家計調査報告・家計収支編の2016年分の年次報告分が上がった時に報道や一部有識者がお騒ぎになられて「景気は悪い」的な印象をつけさせ、その後あちこちからツッコミや反論や否定があったら、無かったことにしたという経緯がある。昨年2月の報道を調べればその辺はよく分かるはずだし、上で引用した【中食系食品などの購入動向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2017年)(最新)】もその流れがあったので、家計調査報告の定期更新記事に加えたという経緯がある。

食生活の環境が大きく変わっているので、同じ環境下で物差しとして使う指標の存在意義が無くなっているのだよね。今件の質問を「よくやった」と評価する人もいるけど、ちょいと精査すれば質問するまでも無く間違った主旨のものであることは容易に分かるはずだし、それも1年近く前の話を掘り返してきたまでのもの。さらにこの話を呈して「だから悪いんだろ」と明後日の方向の糾弾ネタとして使っている以上、評価できるはずも無く。


2017年分のデータが公開されるのは2月16日。それ以降、同じような界隈がまたふんだらしながら騒ぐのは容易に想像ができる。ただ、当方の記事更新予定は3月に入ってからなので、その時にはとりあえず何か暫定データを出してつっこみを入れるしかないのかなあ、と。

あ、今回更新する時には、エンゲル係数の上昇要因として「婚姻率の低下や高齢者の増加に伴う単身世帯の増加で、中食需要の増加(世帯人数が減ると内食のメリットが減る。料理が苦手な人が世帯の調理担当となるパターンが増える。例えば5人家族で料理ができる人が1人いれば5人分の食事をまかなうことは可能。でもその5人がすべて単身世帯と化せば、料理ができない4人は中食を選択する可能性は高い。結果として同じ5人分の食事において、1世帯ならば中食需要はゼロになりうるけど、5世帯ならば4世帯で中食需要が多分に生じる)」「共働き世帯の増加に伴う中食の利用による時間短縮の選択肢を選ぶケースが増えた(ここ数年でパートやアルバイト就業者が急増し、結果として保育園の需要が急激に増えたのは知っての通り)」なども加えた方がいいだろうな。

無論、それらとエンゲル係数の増加を直接結び付ける調査結果はないのだけど、容易にリンクの想像はできる。食品技術や流通機構の進歩で、コンビニやスーパー、デパートでの総菜などの充実が加速しているってのもあるけどね(これはすでに記事で説明済)。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月 2日 07:51に書いた記事です。

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