「Excelできる人が辞めてしまったのでみんなで手作業でがんばろう」
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月29日
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「酷い目に遭った。Excelできる人に依存しない体制にしよう」
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Excelできる人が入社
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「自動化しました」
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「手作業じゃないとみんなができないのでExcel使えても評価はできません」
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Excelできる人が退職
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無限ループ
業務の改善や効率化に必要な技術が退職によりロストテクノロジーになって困るというなら、雇用を維持できるようにするか社内で育成するかすればいいのに、頑なにそれを拒んで退化を選ぶのが不思議。でもありふれた光景だよね。たぶん、1人だけ技術があるのは「ズルい」という発想があるんだと思う。
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月29日
どこまで史実なのかネタなのか、それともまったくのフェイク話なのかはともかくとして。似たようなケースは実体験も併せ多数見聞きしているものではある。便利な道具が特定少数にしか使えず、それが組織全体の業務に欠かせないものとなっているのなら、汎用性を高めるなり代替を容易にするようにしたり、使える人を増やしてリスクを減らしたり、使える人が抜けないような工夫をしたり。その一方で、風邪で休もうとしたリ条件が悪くて辞めようとすると「君がいないとプロジェクトが止まる」「会社が回らなくなる」という強圧をかけるケースが多々あるのは、要は「都合の良い有能な、そして命令に素直に従う奴隷が欲しいだけなのだな」という実感も。
それはさておき。特定の人にしか使えない技術ってのは、ブラックボックスだったりオーパーツに等しい存在ではないかな、と。何かスゴイ効果を発揮するんだけど、仕組みが分からない。使い方を熟知している人がいなくなれば、単なる箱でしかなくなってしまう。今件にしても手作業がパソコンでの入力を意味するのなら、パソコンが使えない人ばかりだったら手作業ですら「みんなができない」になるし、電卓だとしても同じ事。
技術で先に進める、便利になったら、それを神の恩恵による授かりもの的なものとするのではなく、皆が使えるように努力をすること。少なくとも後継を用意できる体制を整えておくこと......ってこれ、アレだ。人手不足問題、特に後継者不足で廃業とかいう問題と構図は同じだわ。
問題は、そういう「コードが書ける人」を常時雇っておけるかどうかなんだよね。開発までは当然要るけど、安定稼働するようになると要らなくなるのが本音だと思う。たまたま社内で業務知識もある人がいたので開発できたけど、退職されると?
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月30日
かといって毎回外部に依頼するのは結構負担や時差が大きい。
大した規模でもないのにその都度よく分からない派遣とかに頼むのは費用とか負担とか現実的でないし、そもそも現場から要望あっても普通は本社や本部は大体「自分たちでなんとかしろ」としか言わないので決済下りない。なので現場に奇跡的にコード書ける人が現れると件のケースが発現する。
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月30日
で、現場でツールができたところで、その維持が問題になる。作った人がいるうちはいいけど、いなくなると変更に対応できなくなる。作った人を特例で雇用し続けるか、よく分からない外部に高額で頼むか、潰して手作業に戻るか。これで苦労して、羹に懲りて膾を吹いて手作業が原則になった所は多いと思う
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月30日
解決策は、現場にある程度の決裁権を持たせることと、辞めた人とコンサルティングまたはメンテナンス契約を結んで置くことだと思う。もしくは、こういうツールを気安く依頼できる複数事業者掛け持ちの仕事を出現させるか。でもセキュリティがすごく問題になるんだよね...実質不可能な場合も多そう。
— Masaki Ohashi (@ohashimasaki) 2018年1月30日
そしてそれは結局のところ、保険の概念があるか否かということになる。今件ならばコードを書ける人、理解できる人を常駐させているか否か。稼働率は低い存在となるかもしれないけど、いざという時には欠かせない存在。長靴とか、トイレの吸盤とか、スコップとか、そんな感じ。
指摘ではそういうことができる辞めた人と外部コンサルとして契約を結ぶとあるけど、これって某医療漫画では積極的に行われていた方法。内包するのは稼働率が低いから勿体なく見えるので独立してもらって、中抜きをした上で外部契約をするという。これってそろばん勘定の上では正しいように見えるけど、いざという時にすぐに対応してもらえるかどうかは分からないし、セキュリティ上の問題は残る。内策の方が面倒が無い。第一その類のものはピークの有る無しで全体的なバランスを取っているのだから、ピークばかりでは体が持たなくなるのだよね。
まぁ、先に進むことを拒む人が多いと、この傾向は強くなる。いわゆる老が、もといロートル的な人(年齢に限らず、先を見る目、技術を取り入れる好奇心的なものがある無し)が意思決定領域に多いか否か、ということ。組織の硬直化は得てしてそういうところから生じるものではある。頭が柔軟な考えを持っていないと、経験を参照する傾向が強くなり、年をとればとるほどその経験による影響は大きくなるからねえ......気をつけねばならないのだけど。
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