先日、電子書籍の大手出版社の方からアドバイス受けた中で面白かったのが、「刊行前のPRはほとんど意味ない」とのこと。読んだ人が「これ面白そう」と思ったら、すぐにURLをクリックして販売しているサイトに飛んで、即、買えることが大事だとか。初版の数字で決まる紙書籍とは逆なんですね。
— 檜木田正史@鬼のずんぼらぶ~ (@hinokida_m) 2018年2月12日
作品や作り手のファンとして固定客にならない限り、商品やサービスの購入動機は多分に衝動的なもの。コンビニのついで買いは良い例だし、テレビのテレフォンショッピングも観たその場で買いたいと思って電話をするパターンが多い。だからこそ「すぐにお電話を」とアプローチをしてくる。人の願望なんてのは線香花火のようなもので、少し時間を置くとすぐに醒めてしまう。それを逆手にとって、ほしいと思ってもあえてその場で手を出さずチェックリストに納めておいて、むやみやたらと買い物をするのを抑えるという自制の仕方もあるのだけど......これは結構難しい。
昨今では情報が濁流のように流れ続ける時代だから、その購入衝動も頻繁に起きるけど、同時に特定対象の衝動はすぐに醒めてしまう。新しい衝動が次々押し寄せるからね。だから「ほしい」と思ったら、その熱が醒める前に買えるようにアプローチをすることで効果はばつぐんになるし、それが叶わないと思ったほどの宣伝効果は発揮できなくなる。まぁ、覚え書きをしっかりとしている人は別だけど。
「刊行前のPRはほとんど意味ない」というのは、要するに衝動買い的な購入動機はつかめないよ、というもの。まぁ、その時点で予約ができればまだお客のハートの確保は可能であるけど。
続)もちろんそれが「唯一の正解」でないにしても、日々、数字と格闘している方の数々の意見は衝撃的でした。電子書籍をどんどん出していくつもりの弊社は、戦略を全面的に見直す必要があります。
— 檜木田正史@鬼のずんぼらぶ~ (@hinokida_m) 2018年2月12日
面白いのはこの発想......って引用する直前に消えてしまったので概要を解説すると、「定価で500円としてその半額で250円で売る方が、最初から定価を250円で売るよりははるかによく売れる」というもの。これは正直、うなづきまくりだった。
購入価格そのものが同じでも、「定価」と「定価の半額」とでは、後者の方が欲しいと思ってしまう。商品そのものをほしいという購入欲望に加え、お値打ちという付加価値がついてくるわけだ。
無論この場合、値引きセールがしょっちゅうなされているのが前提となる。物理的な商品ではそれもさほど無いけれど、デジタル系では半ばそれが当たり前になっている。市場がそういう状況ならば、それに対応した設定をした方がよいということだ。善意で「安くして少しでも多くの人に」と考えていると、それがかえってあだになるということ。
......まぁ、値引きばかり続けているとそれが当たり前になって、それはそれで問題があるのだけど。だからこそ日々市場調査とデータ取得による分析を行い、最適解を模索し続ける必要があるのだよね。
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