漫画家は、原稿料だけでは暮らして行けず、印税でやっとなんとか...。
— 田中ユタカ『笑うあげは』 (@tanakayutak) 2018年2月15日
漫画家だけでなく漫画雑誌自体も同じ構造だそうです。
雑誌だけでは毎号赤字で、それを出るかは出ないか保証のないヒット作品の単行本で補うビジネスモデル。...キツイ商売です。#笑うあげは pic.twitter.com/ii647vmiCn
漫画原稿には製作費がかかります。幅はありますが、1ページ数万円。
— 田中ユタカ『笑うあげは』 (@tanakayutak) 2018年2月15日
印税は本の価格のおよそ10%。600円の単行本なら60円。
単行本1冊をざっくり200ページとすると、1ページを3万円で制作したら、10万部でようやく制作費回収。
昨今10万部は「普通」ではなく「ヒット」の数字です。
...キツイ商売です。 https://t.co/9hud0r2c97
単行本がミリオンセラーになったら家が建つってのはよく耳にする話だけど、それは人によってはマジでそうなんだろうというのもある。けどミリオンはともかく、実のところはそろばん勘定の上では雑誌連載分だけでは生活は事実上不可能で、その雑誌連載分を集約して刊行される単行本の売上で、どうにか生活ができるようになるかな、というのが損益計算の上での正解話。
非常にえぐい話になるけど、雑誌連載分ではむしろ持ち出しに近い形になるので、雑誌連載が成ってチケットを購入する権利を得て、連載中にチケットを購入。そのチケットで単行本を出す権利を得て、ヒットセラーになってリターンを得られるかもしれないよね、というもの。馬券を買うようなもの...というと極端な例となるけど。
まぁ、そのビジネスモデルは漫画家単体としてだけでなく、雑誌社全体でもそうなのだけど。
マンガって昔から基本的に原稿料では暮らせない(連載貧乏という言葉があるように赤字にさえなる)のを単行本の印税で補う、という異常な形態の商売で、それでも出版業界が景気の良かった時代はなんとかなってたけど、それが崩壊した現在は限りなく難しい商売になってると思います。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2018年2月14日
あと絵柄の問題は大きいですよね。さくさくっと描けるしお客様もそれで満足、な絵柄の方と、細密で手間のかかる絵柄の方とでは、全然執筆速度が違う。まれに後者でも速い方もおられますが。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2018年2月14日
現在は難しい商売ってのは多方面で見聞きする。アシスタントを雇えるようになるのは上流階級的な位置づけにある人だけで、普通はとてもじゃないけど雇えないよ、的な。
絵柄の話は何も漫画に限った事では無く。文筆業も、いやクリエイター系全般に言える事かな。もちろん、時間がかからない、さくっと作れるような人は多分に、そこに至るまでの蓄積があるからこそなんだけど。それがすべてでは無いのも事実。単にウケがよいからと、ちゃっちゃっと仕上げたようなものが大いに受けて、ジャンルが、方向性が違うというだけで、どれほど時間と手間をかけ、リソースを投入してもそろばん勘定の上でけた違いな結果が出ているのを見ると、世の中の理不尽さを覚えてしまう。
当方のように、数字やら調査やら検証やらが多分に必要で、表に出ている部分の何倍も色々と成しているようなものを作っていると、本当にそう思う次第ではある。
漫画の話に戻すと。ネットの普及でビジネスモデルの構造が大きく変化した現状では、作り手側も色々と工夫して、環境に対応していくしかないんだろうなあ、という感はある。自分に合致した成功方程式を見つけられるといいんだけどね。
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