電子書籍のよいところと、電子書籍化しないことへの嘆きと

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先日のMOサルベージでも実感したのだけど、実媒体の難点の一つは、整理する時に体力を使うこと。まぁ普段から逐次片付けていけばいいのだけど。で、そういう難儀さをパージできるのが電子書籍のよいところ。容量足りなくなったら要らないものを削除すればいいまでの話。腰も痛くならない。

もちろん、古いデータを売るってことはできないし、記録の保全という観点ではどうなんだろう、本当の意味での消耗品化してしまうよなあ、と複雑な気分になるのだけど。物理媒体で取得しておいて、場所が狭くなったら電子化すればいいってのが最適解なのだろうけど、それはそれで手間がかかるのが面倒だったりする。ドラえもんの秘密道具みたいに、本をぶち込むとデジタルデータ化されるマシンとか無いかなあ。ビデオテープならそれに近いのがあるのだけどね。


他方最新刊はともかく、ちょいと前以前の本になると、SF本に限らず電子化されていないのが多分にあったりする。昔の本が欲しいけど出版社にも在庫は無いし再版はされないようだし、古本で調達するのもちょっとアレだし高いし古本にも無いしということも。

これは理由としてはきわめて単純で、新刊の場合は紙媒体版を出すと同時に電子化の手続きも取れし工程も避けるけど、昔の本はわざわざ電子化のための作業があれこれと必要になり、相応のリソースが求められるから。タダで電子化されるわけじゃなく、極論としては新刊発行と同等のリソースが必要になる。で、それに応えるだけのセールスが期待できるかというとそうではない。ならば電子化する必要ないよね、ということ。

ぶっちゃけると、昔の本が電子化されないのは、してもビジネスとして成り立たないから。なので昔の本の電子化は公共事業として行う必要があるのかなあ、という気もする。社会文化的に求められているのならば。

クラウドファンディングで電子化のコストを募集すればいいじゃないかと思ったけれど、すでに復刻本のリクエストサービス的なものはある。そして元々廉価な本では、電子化のために収益を得るまでの費用を得るのも難しく......。

仮に電子化プロジェクトとして毎年数千億円ぐらいかけて国会図書館の書籍を逐次電子化していくという公共事業を立ち上げるとしたら、誰が賛成するだろう。むしろ反対の方が多いというのは容易に想像ができる。難しいけど、これが現実なんだよね。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月25日 07:05に書いた記事です。

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