出版月報、やっと届いた pic.twitter.com/pYnAScmOpo
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
2017年のコミックス新刊点数は雑誌扱い+書籍扱いの合計で1万2461点。紙のコミックス販売額が1666億円なので、単純計算すると1点あたり1337万円。もちろん販売額のすべてが新刊というわけではないけど、同じ計算方法で2003年は1点あたり2545万円。ほぼ半減してることになる。 pic.twitter.com/69Y5rm5H32
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
コミックス出回りデータの推移が興味深い。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
2002年 7億1657万冊・3360億円(返本率26.1%)
2017年 4億7847万冊・2528億円(返本率34.1%)
要は、小売店すべてのコミックス在庫冊数・金額が目減りしてる。書店の減少=市中在庫の減少だもんな。あと、売れないとすぐ返本される傾向が強くなってる。
あ、コミックス新刊発行点数の推移はこんな感じです。 pic.twitter.com/21LVBYm67U
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
廉価軽装版の販売額も、ここ数年で激減しているんですね。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
2012年 261億円
2013年 203億円
2014年 201億円
2015年 171億円
2016年 157億円
2017年 132億円
2012年の約半分になってる。
先日第一報が流れた、出版月報速報による2017年の紙媒体や電子媒体におけるコミックスの市場動向。解説のお話があったので覚え書きも兼ねて。「廉価軽装版」ってのはコンビニなどで見かける、再構築されたわら半紙的な材質の紙による安い単行本。こちらが減っているのは、コンビニでの取り扱いが減っているのと、利用客の客層や利用性向の変化によるところが大きいだろうねえ。ぱっと見で面白いかもと思っても、手元のスマホで電子版を買えるのならそちらで調達しちゃう。
出版科学研究所が「若い世代を中心にコミック誌に替わる作品のタッチポイントとしてマンガアプリの存在感が一層強まっている」と書くなら、出版科学研究所の役割として、マンガアプリのアクティブユーザー数推移や、ウェブマガジンのユニークユーザー数推移を出して欲しいなあ。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
うーん、紙のコミックス販売額急減の要因として挙げられている中で「ビッグタイトルの部数規模縮小」は、要因というか現象そのものだよな。初版部数上位10タイトルで、2007年はすべて100万部超えてるのに、2017年は3タイトルだけ。それがなぜか? という話が知りたいのにw
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
補足。コミック誌に比べるとコミックスは比較的堅調だったのですよ、数年前までは。ところがここ数年、急減しているんです。とくに2017年の減少はでかい。その理由がわからないって話。生産年齢人口が1995年をピークに減少し続けてるとか可処分所得の減少とかデフレとか可処分時間の減少とかは、前提。 pic.twitter.com/jGdtgvDs81
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
出版科学研究所のリリース、中段くらいのグラフが興味深い。https://t.co/mRIOe1FBF4
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
コミック全体のピークは1995年。そのときのコミックス(単行本)は2507億円紙だけ。2017年のコミックス紙+電子は3377億円。つまりコミックス市場は拡大してるんですよね(コミックス紙のピークは2005年2602億円)
こういうグラフだとわかりやすいかな? pic.twitter.com/mOhL2loY5a
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
三角形で埋めてあるのは、電子出版市場について出版科学研究所では2014年以降しか数字を出してないから。インプレス「電子書籍ビジネス調査報告書」によると電子書籍市場は2002年の10億円にはじまり、2006年には182億円、2010年650億円(ただし572億円がフィーチャーフォン向け)にまで拡大している。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2018年2月28日
「紙の」コミック減少なら、やはり電子版の普及かと。電子本の購読環境が整ったのはここ数年。コミック誌の減退がそれ以前から始まっていたのは、純粋な時間つぶしネタツールとしての紙媒体からスマホなどへのシフト。https://t.co/9oAGsosKj9
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2018年2月28日
コンテンツが流通するためのルートが増えて、それでも一部のルートの価格のみを計上していたのでは、当然額が減る次第です。販売コンテンツ量が算出できれば、むしろ増えているのではないかと。だから印刷証明付き部数の意味合いも昔と比べると以下略
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2018年2月28日
他方、紙媒体としてのコミックスがここ数年で急速にこけているのは、あくまでも相関関係の値でしか実証されていないし、因果関係を確定づけるのは不可能に近いのだけど、やはり競合ルートとしての電子版の急速な普及に伴うシフトが生じているのだろうなあと。これ、実のところはiTunesなどによる電子楽曲と同じ流れ。電子版だと蓄積性が多分に生じるので、新作が売れにくくなるって要素(先日触れた件)も同様。
他に、例の海賊版も併せ、売上が発生しない電子コミックが増えてきて、コミックを読みたいという需要が吸われているってのもあるのだろう。無料で閲覧できるコミックは山ほどある。なので、閲覧された、読まれて楽しまれたコミック数は数倍にも増えているかもしれない。その中には多分に、紙媒体や電子販売版のコミックへのアプローチを求めている、前提としているのもあるし、きっかけになっているのもある。
購買のメカニズムは基本が
— スイカ羊 (@suika_sheep) 2018年2月28日
認知→興味→購入
なんですよね。
だから、初手は「認知の場」を確保すること。
皆が何を見ているか?という話ですよね。
書店売り上げが落ちているのは書店に出向く人よりも、スマホで情報に触れてる人の比率が多くなっているのかなとも思ってます。
紙媒体のコミックスが売れなくなっているってのは、こういう原因もあるのだろう。書店の減少でウィンドウショッピングで「気付き」を得て買うって機会が無くなっている。コンビニでの「廉価軽装版」はそれをサポートする役割もあったのだろうけど、コンビニ側で立ち読み自身を嫌う傾向が強まり、これも難しいものに。
似たような認知をウェブ上で得られるのなら、その場ですぐに取得できる電子版を購入する人が増えるのも致し方ないのかな、と。
まぁ、出版社としてはコンテンツを売りたいのであって、媒体が紙だろうと電子だろうとかまわない。ただ、気付きを与え告知拠点となる書店を維持するためには、紙媒体が売れないと困る、と。しかしながら書店が減ってきてマスとしての影響力、効用が減退しているのは否めず、さらに電子の方が便利となれば、利用者はますます電子に流れていく。
紙媒体としてのコミックの減退は今後も続くだろうし、それが出版業界全体の衰退を意味するものでは無いってのも継続していくのだろう。電子版の展開を出版と表現してよいのかは賛否が分かれる所だろうけど。
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