「サンプルちょうだい」自ら言ってくる時点で友達じゃない

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創作物を商業出版した経験がある人ならわかるはずだけど、本にしてもCDにしても、創作物が世に出る時には作者や関係者に一定数のサンプルや謹呈本が無料、あるいはそれに近い割引で提供される。あなたが手掛けたものですよというご褒美......というよりは、資料として手元において、色々と精査してさらに精進してね、とか、あなたの身近にいる人に配って宣伝してね、という意味合いの方が強いかな。

で、それを知ってか知らずか、作った本人側からではなく、第三者側から「サンプルちょうだい」とアプローチをかけてくるケースがある。当方は幸いにも、そういう事を言われるようなシロモノを作ったことはないけれど。

でもそれって違うよね、的な。見も知らぬ人から言われてもあげる筋合いは無いし、友達とかならむしろ買ったよという声を聞きたいのに、くれとかどういう事よ、的な。まぁ、又貸し云々はともかくとして。


「ちょうだい」ってのは「お客様は神様です」「子供のやることだから」同様、言うべき立ち位置が違うだろうという感がある。サンプルを提供されたから上げるね、見てみてねっていうのを作り手側が行うことはありだけど、それをもらう側が手を出して語ってはいけない。先日のユーチューバーのホテル無料にしろ事件と同じ。ホテル側が「あなたはスゴイユーチューバーだからタダにしますよ」というのはともかく、ユーチューバーが「宣伝するからタダにしろ」というのは間違っている。

この辺りの立ち位置の違いと言葉の有効性の問題は、その場では気がつきにくいものが多い。ふと疑問に思う事、思ったら立ち止まって確からしさを検証してみること、クセをつけるのは大切だな、と。

まぁ、そういう考え方ができるのなら、そもそも創作者に向かって「サンプルくれ」と真顔でいうようなことはできないはずなのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2018年3月12日 07:50に書いた記事です。

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