出版業界の「育てる行程の放棄」な実情

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似たような話は切り口を変えて何度か触れているけど、出版業界はその軸というか支えてもらう素材というか本質的な要素となる作品を生み出す作家を育てられないような状況になりつつある。無論ゼロ一の世界じゃなくて、まだまだちゃんとサポートしたり、昨今の環境変化に合わせて適正化をしている素晴らしい人、ところもあるけど、全体的にはそういうことをしない割合の方が多いってのは否めない。指摘の通り「人材を育て上げて金の卵を産むガチョウに成長させる」ってことができなくなっている。そんなめんどい事したくないしできないし、ガチョウをそのまま焼いて食った方が早いじゃん、的な。

思いっきりラフな例えになるけど、ごく少数の農家による田畑以外は雑草しか生えていないような原野で、その原野の中で時折見受けられる果実や野菜を拾い集める感じではある。あれだよね、まさにデフレ時代における「人材なんて自分達で育てる必要は無い。面倒くさいし金も時間もかかる。勝手に育ってくるのを拾った方が面倒が無くて良い」って考えと同じ。結果として今のような人手不足、人材・技術者不足になるとか、半強制ボランティアとかサービス残業でどうにかしようという考えに至る。人材管理の観点では、無能以外の何者でも無い。

ぶっちゃけると経営陣、意思決定層、さらには編集レベルでも、スットコな質の人が増えている...というか育っていなかった感は否めない。繰り返しになるけど、全部が全部ってわけじゃないからね。あるいは単に、そういうスットコな界隈の動向が目立つだけかもしれないけど。

一読者の視点としては、できることは限られている。消極的ではあるけれど、面白いと思ったウェブ漫画やツイート上の漫画、購入した本などは積極的にポジティブな想いをのせて、どんどん他人に教えていく。気付きを与えるのは大切。勢いに乗ることができれば、良作が飛び抜けた飛躍をする機会が得られるってのも事実なのだから、それの後押しのためを少しでも手助けするってのは悪い話では無い。

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このページは、不破雷蔵が2018年4月 1日 07:20に書いた記事です。

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