コンビニの人手不足で減益すると叩かれるのは何でだろう

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スーパーやコンビニエンスストアなどを展開する流通・小売り大手4社の2018年2月期連結決算が11日、出そろった。4社ともコンビニの人手不足への対応費用がのしかかり、ローソンは15年ぶりに減益となった。イオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)、ユニー・ファミリーマートHDは好調な海外事業などで増益を確保した。「人手不足の中で加盟店オーナーの確保が厳しいものになっている」。ローソンの竹増貞信社長は11日の記者会見で語った。

コンビニ大手の決算が出てローソンは人手不足が原因で減益となった、これは大変だ、ひどいよね的な香りが漂うタイトルと記事内容。数年前ならその通りの印象を当方自身も受け取ってしまったのだろうけど、人材不足の内情などを読み解く機会を山ほど得た今では、書き手側の知識の無さ、あるいは悪意すら覚えてしまう記事としか認識できなかったりする。

人手不足の対策費の計上や人件費の上乗せは、投資なり従業員の環境改善につながるので減益=悪い事という見方はいかがなものか。投機事業に失敗したなどによる損失で減益ってのならいざ知らず。仮にローソンの株主だったとしても、単純に「減益だから責任を取れ」と騒いでいるのなら、それは浅はかな考えの持ち主でしかない(当方はローソンの株主では無いけどね)。

結局のところ今件記事はデフレ的な発想、緊縮万歳的な視点でのものであることが分かるわけだ。どのような理由でも減益したのは悪いこと、人手不足がいけないんだ、デフレで人手が有り余るような、安い賃金で買い叩けるような時代こそがハッピーだ、的な話なんだよなぁ、と。おかしな話ではあるけど、この記事の思惑としてはそういう考えがあるのだし、実のところ先日も言及したけど景気ウォッチャー調査のコメントにも、中小企業の経営者の少なからずには、そういう発想の持ち主がいたりする。安いお賃金で黙って働く奴隷が欲しい。そういう環境に慣れてしまったのだろう。

「コンビニの人手不足への対応費用」「人手不足への対策投資が響き」と説明にはあるので、結局は人手不足への対策で費用がかかった=対応策を打ち出しているわけなのだよね。別に変な事業に投機したわけじゃない。また、人手不足で事業が拡張できないから機会損失をしてしまったとか、これまで受注できていたのが受注できなくなったので減益とはわけが違うのだよね。

ごく普通の企業の決算に関わるちょいとした報道記事でも、ここまで説明しないといけないぐらいに、報道機関の報道記事がアレな質になっているのが、むしろ悲しかったりする。

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このページは、不破雷蔵が2018年4月12日 07:06に書いた記事です。

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